紫陽花が咲き始めていたので、写真でも撮ろうかとゆっくり見ながらの潅水
水をかけながら、何となくリンゴの木の方を見ると一輪車にカラスが止まっていた。「あら、珍しい」
こんな所に降りてくるなんて・・・
水路を見たり、木に止まったりなんだかのんびり散策中のよう
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近くに養豚場があるのでその周りにはすごい数のカラスがいる。
それでも我が家には殆ど飛んでこない。来たとしても、屋根の上にちょっと止まってすぐにどこかに行ってしまう。悪さもしない。
だから、庭にカラスが舞い降りたのを見たのも今日が初めて。
実は亡くなった祖父母の家には、昔カラスがいた。正確に言うと叔父がヒナを拾ってきて育てたカラスである。
ケンという名前のカラスは、人の言葉を真似ることの出来る賢い鳥だった。祖母が初孫だった私の名前をケンに教えたらしく、よく「〇〇子〜〇〇子〜フォー!フォー!」と鳴いてくれた。
お盆にしか行かない祖父母の家に行くと私は必ずケンの所に行って餌をあげた。
餌は近くの川で採ってきたカエルやハヤだった。
すると喜んだケンがまた私の名前を呼んでくれる。
だから、私はカラスが嫌いではない。むしろ好きな鳥だった。
ゴミをあさったり、いたずらをするので嫌われるが、行動をジッと見ているとこの鳥がいかに頭の良い鳥なのかがよくわかる。
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庭に来たカラスは少し小さい感じがした。足も片方少し不自由なようであった。
近くに行っても逃げないので、「カァカ」と言ってみた。逃げない。
カラスは、少し体を傾けながらトントンと歩き(カラスとびかな)ミニトマトの前までやって来た。
ミニトマトが気になっているらしい。
「食べる?」と聞くと、ジッとしている。あまり警戒していない。
それでも少し離れた駐車場の方に移動していく。そしてまた止まる。
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そこにトマトを転がしてみた。楕円形のトマトがゆっくり転がっていった。
すると、上手にキャッチ!少し小柄なカラスはそれを口にくわえて飛んで行った。
なんとなく嬉しい出来事。それでもまだ残りの潅水を続けているとまたカラスが降りてきた。
「カァカ」と勝手につけた名前で呼んでみると、木製のフェンスの上に止まった。
また、トマトを転がすと”カァカ”は飛んできて、トマトを上手にキャッチした。また飛んでいくのかな・・・と思って見ていると、”カァカ”はくちばしに挟んでいたトマトを下に下ろしゆっくりとその場で食べ始めた。
そして私が潅水をしている間、我が家の庭でゆっくりと休んで行った。
庭にはカナヘビやニホントカゲが沢山いる。それを食べようと思っているのかな
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随分近くまで行っても逃げないので知らんぷりをして潅水を続けた。
私には私のやることがある。
「種もまかなきゃいけないし、鉢替えもしないといけないのよ」と言っておいた。
するとわかったのか、トントンと歩きながら庭から出て行き飛んで行った。
これじゃあ、私はまるでスプーンおばさんだわと笑ってしまった。
後ろを振り返ると、サンルームからガロとポピーがこちらをじっと見ていた。
ガロはほとんど寝ている・・・
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この話を夕方、夫に話すと「この間、野球場のネットと幕の間に挟まったカラスを助けたんだよね。足を痛めてたけど置いてきた」と言った。置いてきたという言葉に子供達はえー!と言った。
うちはカラスに縁があるようだ。
明日も、”カァカ”くるかなぁ・・・
なんとなく楽しみにしている。
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