シマの事。②

2005年11月30日(水) 2005-11-30T01:21:13+09:00 345 / 5

僕の心の中ではシマはすでに「ウチの子」になっていましたが、
まだ飼う事に躊躇していたのは事実でした。
住んでいたマンションはペット不可でさらに管理人さんはシッカリ者で
（いい意味で）ネコなんか飼ったらすぐばれてしまうだろうと思ったし、
人から聞いた話だと野良のネコは外に出たがってやたら鳴くと
いうじゃないですか！そんな訳でしばらくは今の生活を続けてなるべく
シマに会いに行く回数を増やす事にしました。
ところが洋猫ミックスであろうブーちゃん、まーくんは日に日に巨大化し
（ひょっとしたら二匹いっぺんに来られたら僕もやばい位の巨体です。）
シマに対するイジメも激しさを増してきました。
シマを撫でながらホント困ったなぁと思いながらバイバイをすると
僕達の後ろをシマがついて来るようになったのです。
それも決まってマンション手前の通りの前までです。
シマはそこで僕達がマンションに入るまで座っていました。
どうやらマンションの手前までがシマのテリトリーだったようです。
シマにとってはそのテリトリーを越える事がいかに恐ろしい事だったでしょう。
ただでさえ自分のテリトリーにはブーちゃんとか怖いヤツがいるのに
この先の知らない世界にはもっととんでもないヤツがいるかも知れないと
思っていたと思います。（多分。僕にはそう見えました。）
しかしとんでもなくない（？）自分のテリトリーでのブーちゃんのイジメは
（この頃は僕はブーとしか呼ばなくなりました。）ますますエスカレートし
シマの体中の傷はえらい数になっていました。
僕と彼女はそんなシマに出来る限りの治療や餌をあげてあげました。
シマはそんな僕達を心から信頼してくれたのかある日思いもよらない出来事が
起こりました。
バイバイして帰る途中シマはいつものように後ろをついて来ました。
そしてマンション手前の通りで立ち止まりましたがいつもと様子が変です。
シマの顔を見ると昼間というのに瞳はマンマル、毛は逆立ち、おまけに
鼻水をダラダラ垂らして（ほとんど流してる・・・。）息をゼーゼーさせながら
こちらを見たり周囲を伺っています。そうです！！こっちに来たがっているのです！
この先の知らない世界でどんな恐ろしい事があるかも知れないけど
それでも僕達の所に来たがっているのです。
その時の僕達はペット不可のマンションの事とかその他もろもろ俗世間の問題とか
全てを忘れてひたすら鼻水をダラダラ流してドキドキしている
シマに向かって「こっちぃ来いやぁ！！」（高田延彦風）と叫んでいました。
それを聞いたシマは一目散に通りを向かって僕達に飛びついて来ました。
僕はその時の出来事は一生忘れないでしょう。
ただひとつ残念なのは最初にシマが飛びついたのは彼女の方だったという事です。
やはり母は強しなんでしょうかねぇ・・・・・。
そして一緒にマンションに入って俗世間の事を徐々に思い出した僕はある重大な
事を思い出しました。そう、シマのトイレの準備がないんです！
そう思った瞬間シマは布団の上にウンチとオシッコをセットでしやがりました・・・。
（つづく）