サクが白血病とわかってから約3か月。
あと2日で3歳3か月という日でした。
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この頃はずっと、自分が夜寝るのも心配で、
自分が寝てる間に何かあったらどうしよう・・・と、
2時間おきくらいに様子を見に行っていました。
この頃はもう布団では寝てくれず、玄関が多かったかな。
その日も夜12時ごろ寝て、
2時ごろ起きたら玄関で、
4時ごろ起きたらまた玄関にいました。
明け方、サクが寝返りをうつような音がしてたけど、
6時ごろ起きたら、玄関にいないし、
洗面所にもいない。
焦ったら、今度はベッドの下にいました。
なんだぁ、ベッドの下にいるの?と言って
珍しいなぁと思って、
でも、久しぶりに玄関とか洗面所じゃなく
同じ部屋にいることができたので、
私はそのままベッドで新聞を読んだり、
コーヒー飲んだりしてました。
ずっと一緒にいようね、って。
でも、なんか予感があったんですかね。
いつもは神様(娘が置いていった前厄の厄払いのお札)や
亡くなった父の遺影へ水を供えるときに、
「今日も一日お守りください」と祈るのを、
その日の朝は「サクが苦しまないようにお守りください」と
祈っていました。
そのうち、サクがベッドの下から出てきたんです。
でも、2歩は歩けない。
昨日まではまだヨロヨロと少し歩けてたのに。
1歩歩いて2歩目はバタンと倒れちゃう。
寝返りのような音はこれだったんだ!
サクは、明け方何回も何回も転びながら、
玄関から私のベッドまで移動してきてたんだね。
私の傍にいようと思ってくれたのかな。
ベッドの横まで出てきて横たわる
サクの頭の下に手を入れて
もう片方の手で頭や顔や体をなで続けていました。
サクは最後のほうは抱っこさせてくれなかったんですよね。
抱っこされると痛かったのか、苦しかったのか、
あるいは抱っこされると病院に連れて行かれるか
薬を飲まされるか、強制給餌か、と
嫌なことが待ってるって思ったのか・・・。
なので、両手で挟み込むように
ずっとずっとなでていました。
「サクはいいコだね~」
「サクは可愛いねぇ~」
「サクはイチバンいいコのニャンコだよ~」
「サクだ~いすきだよ」
ずっと言ってました。
そして、
「もし、あっちに行っても、毛柄を着替えて
すぐにココに戻ってくるんだよ。
私の顔と、ココの場所と、忘れないように
よ~く見ておいてね」
「サクはまたすぐにウチのコになるんだよ。
今度は病気は向こうに置いてきてね」
ずっとずっと言い続けてなでつづけてました。
そのうちにまたサクが歩こうとしました。
今度は部屋の入口まで。
そこでまた、同じ体勢で、
ずっとずっとなでて、
ずっとずっと話してました。
手を外そうとすると、
もうよく出ない声で泣くので、
そのまま、手の上にサクの頭をのせてなで続けていました。
「サクありがとうね」
「サク大好きだよ」
「サク可愛いよ」
「サクはイチバンいいコだよ」って。
そのうちにまた立ち上がって玄関のほうに行こうとしました。
廊下の突き当たりにはサクのトイレがあります。
トイレに行きたいのかと思い、トイレに入れてあげました。
そうしたら、違ったみたいですぐ出て、
玄関の上がり口で倒れました。
もうその頃は息が苦しそうで苦しそうで・・・。
もしかしたら・・・と思いつつ、
「サク!」「サク!」と名前を呼び続けました。
そのうちに、何回か宙を掻いて、唸り声をあげ、
少しずつ、少しずつ、呼吸の間隔があいていくのがわかりました。
「サク!」と呼びかけると、ピクッとしてまた戻る。
また、間隔があいていく・・・呼びかけるとまた戻る、
何回か繰り返しましたが、そのうちに戻らなくなり、
呼吸も、心臓も止まってしまいました・・・。
とうとう、その時が来てしまいました・・・。
途方に暮れ、
でもこの瞬間、一緒にいてあげることができた、という
ほんの少しの安心感・・・。
とてつもない悲しみはもっと後になってからでした。
でも、さっきまで生きていたのに、
息をして声を出して私のことを見つめていたのに、
体はそこにあるのに、
もう息してない、声も出さない、私のことを見てくれない。
そのことがまだまだ現実として受け止めきれませんでした・・・。
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