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人に慣らそうとまずケージに入れて部屋の中へ。このまま3日くらいはケージ生活を送らせようと目論んでおりました。保護仔猫はみんなそうしてまず室内に慣らし、それからケージの扉を開けて、部屋の中を好きに出させる方式をとっていたのですが…。
5か月間お外で野生生活を送っていたししゃもちゃんは、3か月の仔猫ちゃんとは体力も大きさも違っていた…!ケージの中で大暴れ、このままではケージ壊すかケガするんじゃないかしら、と早々に諦めてケージの扉を開け放ちました。部屋の中を好き放題探検したししゃもちゃん…。近寄っては来ませんが、棚の下に隠れながら、私を観察しているようでした。
そして保護翌日。夏日が戻ってきたので部屋の窓を少し開け、網戸にしておきました。
我が家は古い家なので立て付けが悪く、仔猫には窓が開けられないのです。たまに様子を見てくれるように両親と、仕事を手伝いにくる姉に頼んで私は会社へ。昼休みにメールが入りました。『ししゃも、網戸を破って脱走した』…マジですか!
帰宅すると古いほうの網戸が破られていたので、まぁ…古くて網も弱ってたしね…でも、すっごいじゃじゃ馬ガール…!逃げちゃったなら、警戒されているかも…もう一回保護するのは難しいかな…と思いつつ、ご飯を片手にお勝手口から『ししゃもちゃーん』と呼ぶと、庭木を揺らして走り寄り、『ご飯ですか!ご飯ですね!?』とあっさり戻って参りました…。1日過ごして、私はちょっと信頼度が上がったらしく、抱っこも許してくれたので、あっさりと2度目の捕獲、部屋へ強制連行。
そして保護2日目。やはり夏日…うーん、破られた網戸の西側の窓は閉めるとして、閉めきりは暑そうだけど、クーラーってほどじゃない…破られたのと反対側の東側の網戸はこの前張り替えたばかりで、網も堅い…。よし、こっち側の窓だけ網戸にしよう!そして両親と姉に頼んで会社へ…。昼休みにメールが入りました。『ししゃも、網戸外して屋根の上に落として脱走した』…うおいっ!?
この時落とされた網戸は、ものぐさな私のせいで今でも我が家の屋根に乗ってます。今年の年末には片付けよう…。そして帰宅後、またあっさりと3度目の捕獲。なんだこれ(笑)。
3日目。ここから急激に気温が下がったので、もう窓は開けませんでした。
窓の開かない部屋の中で過ごして、ししゃもちゃんはあっさりとお外生活を諦めたようでした。この辺りから、夜、眠るときには私のお布団に乗ってくるようになりました。1週間もたつ頃には、枕もとが定位置、私の髪をネチネチ舐めて毛づくろいまでしてくれました。
え、ちょ、飼い猫のコタロウさんより距離が近い…!甘えん坊キャットに免疫のない私はちょっと挙動不審に陥りそうなかわいらしさ!もう、このままウチの子になっちゃう!?と思った事も一度ではありません。
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ですが、スパイシーキャット:コタロウ様は、断固拒否の姿勢を崩しません。
保護のメインルームである私の部屋には近寄らず、人間に慣らすために居間に移動している時に出くわしてしまうと、唸りながら別のお部屋へ。
うっかりとふすまを少し開けていた時に、ししゃもちゃんがコタロウさんに寄って行ってしまった時など、ものすごい声とパンチで応対、慌てて行くと、すごい勢いでししゃもちゃんが逃げてきました。追いかけてきたコタロウさんは、私に気付くと、うあー!とかあおー!とか聞いたことのないもの凄い声で抗議。
ネコ語はわかりませんが、『あーヤダヤダ、若いオンナってだけでちやほやされちゃって…アンタなんかブスよ、ブース!!』という毒舌オネエタレントのような風格でした…。
うん、ししゃもちゃんは可愛い。でも私が一番優先すべきは先住猫であるコタロウさん。
どうしても、どうしても里親さんが見つからなかったら、その時に悩もう。人も猫も大好きなこの子の運命のおうちのひとが、この子を探しているのかもしれない。私は暦をチェックして、縁起の良い『一粒万倍日』を選んで、里親募集をかけました。9月の末のことでした。
もう一回、続く…。
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