昨日、17時半頃、無事に鈴丸を保護することができました。
結局、捕獲器ではなく、キャリーに押し込んだ形です。
昨日、帰省していた友人が私を心配して遊びに来てくれて、買い物などに連れて行ってくれました。
何とか保護できないか。味の濃い市販のフードや捕獲に使えないかと思ったネット、いろんなものを買いだしてきました。
帰宅して、家の裏から鈴丸がいる空き家を見ると、見たことがない茶白の猫ちゃんがいました。
「どうしよう、知らない大きい猫がいる。あの子、見たことない」と友人に話していたら、空き家の裏から鈴丸が顔を出しました。
茶白ちゃんは、私に向かって鳴く鈴丸を見てゆっくりとどこかへ行きました。
「どうする?行ってみる?車出すよ」
車で行けたら楽なのですが、私は脱ペーパーしたばかりで、真裏とは言え道も狭くヘアピン型のカーブもあり行きにくいそこへは車で行ったことはありませんでした。
友人のその言葉に甘え、鈴丸と小梅を子猫のときに保護した際に使った大きなキャリーを持っていきました。
どうせ捕まえられないだろう。夜にまた捕獲器を持って来よう。
そう思っていました。
友人は車で待機し、私はキャリーを抱えて車を降り、いつも捕獲器をセットする場所ではなく、捕獲器をセットした後、私が座って鈴丸に声をかける場所にキャリーを設置しました。
買ってきたばかりの味や匂いの濃いウェットのフードをキャリーの奥に置きました。
一昨日抱っこしたので、少し距離を取りつつも、鈴丸は私にすり寄りたくさん撫でさせてくれました。
ふと体を両手で撫でると特に逃げることなく、すりると体を通します。
それを数度繰り返しました。
……もしかして、行けるだろうか?
私は、両の掌で鈴丸の体を支え、キャリーに誘導しました。
キャリーの入り口直前で鈴丸は察し逃げようとしましたが、頭の片隅で冷静に「ここで逃がしたら、もう二度と保護はできない」と考えている私がいました。
グイッと鈴丸の体を抱き直しキャリーの奥に入れ込みました。
鈴丸はキャリーから逃れようとする、私は鈴丸の体を押さえながも絶対に逃さないと戦いましたが、中々蓋が閉めらませんでした。数十秒の格闘でした。逃げられたらお終いだ……蓋を何とか閉めないと……焦りが芽生えたその時、友人が車から降りて駆け寄り、鈴丸の体をキャリーの最奥へ押し込んでくれました。
本の一瞬の出来事でしたが、そうしてようやくキチンと蓋を閉めることができました。
急いでキャリーに持ってきていたブランケットを掛けました。
中で鳴く鈴丸に「ごめんね、ごめんね。お帰り、鈴丸、お帰り。おうちに帰ろう」と泣くしかできませんでした。
直線距離にして、自宅とこの場所は20mもありません。そんな近距離です。
家に帰ってきたくて帰ってきたくてたまらない鈴丸を私は長く連れて帰ってあげることができませんでした。
本当にダメな飼い主だと思います。
鈴丸が家を出たのは、10月20日19時、保護できたのは11月19日17時半。
本当に丸一か月の出来事でした。
友人から「ここに夜一人で来るの怖くなかったの?」と聞かれましたが、不思議と鈴丸がいるので一度も怖いと思ったことはありませんでした。
大きなキャリーだったので、私の車が止めてある入り口は鈴丸の入った状態では重く狭い通路を通るのは少し大変そうでした。うっかりお隣の庭に落ちそうだったので、病院に連絡してそのまま連れて行きました。
前から鈴丸が脱走したことや捕獲がうまくいかない話を相談していたので、私が着くころには受け入れ体制を整えてくれていました。
先生や看護師さん達は「保護できたんですね」と優しく笑ってくれました。
検査したところ、ノミダニ寄生虫は今のところ見つからないとのことで、念のため駆除薬をつけてくれました。
ただ肝臓の数値が悪くなっていたので、お薬をいただきました。
一週間はケージの中で過ごさせて、他の子との接触をさせないようにとのことでした。
一昨日、抱っこしたときに「2キロは落ちてる」と思った通り、7.8キロあった体重は5.8にまで落ちているとのことでした。
本当に、昨日のタイミングで保護できてよかったです。
幸い長崎は雨が降っても気温が下がることなく、今日も裏の窓を開けていても暖房をつけずに過ごせるほど暖かです。
しかし、23日以降寒さが訪れるとの天気予報だったので、何が何でも23日までには保護したいと思っていました。
私が今回本当に奇跡だと思ったことは
●友人が遊びに来てくれたこと
●茶白の猫ちゃんがいてくれたこと
●友人が「行ってみようか」と言ってくれたこと
まずはこの三点がなかったら、いつものように19時半頃に一人で鈴丸のもとへ来ていたと思います。
そして、なんと言っても「神タイミング」な友人の補助です。
友人の手助けがなかったらキャリーの蓋を閉めることは不可能だったのではないかと思います。
それを友人に言うと「いやー、私が手を出して逃げられたらどうしようと一瞬迷ったけど、みもちゃんの格闘見てたら助けなきゃって体が動いた」と笑って言いました。
「ありがとう」の言葉を何度伝えたかわかりません。
いろんな偶然が重なって、鈴丸を保護できるタイミングが生まれたことに感謝いたします。
あと可哀そうではありますが、鈴丸の体重が2キロも落ちていたこと、あんまりご飯を食べてなくて力が衰えていたことも要因の一つだと思います。
いつもの体重と力があったら、私は力強いオス猫をキャリーに押し込むことはできなかったでしょう。
捕獲器を貸して下ったボランティアの方から「鈴君、ちょっと賢いですよね」と何度か言われ「自力で帰ってこれないのに?」と思っていましたが、昨日「鈴丸は本当にお利口さんだと」思いました。
私と格闘しているとき、友人が手を出したとき、鈴丸は決して私たちに爪を立てませんでした。
鈴丸も素手だった私も友人も無傷です。
今は、自宅の二段ケージの中で過ごしています。
一日が経ち、少し外へ出たそうですが、一週間は我慢です。
きょうだい猫の小梅は雲隠れし、三毛の茜はケージにかけた布越しに鈴丸を威嚇します。
一か月も経ったので、鈴丸のことを忘れてしまったのかもしれません。
そういえば、この一週間、小梅が裏で鈴丸のいる空き家に向かって鳴くことはなかったような気がします。
時間が解決してくれるでしょうか?
鈴丸は小梅も茜も大好きな子です。
茜はうちの庭に突然現れてから、子猫の頃はずっと鈴丸の肉球をちゅぱちゅば吸って常に鈴丸にべったりしていました。
もうあの頃の姿を見ることは叶わないのかもしれない。
それが少し悲しいです。
ひとまず、鈴丸が私のところに帰ってきてくれたこと、それが嬉しくて仕方ありません。
昨夜は鈴丸のケージの前で寝ました。
暫く寝つけなかった鈴丸の鼾が聞こえたとき、ようやく安堵できました。
もう二度としなくてもよい苦労をさせないよう、気を付けていかなければと思います。
温かくアドバイスや励ましをくださった皆様、本当に本当にありがとうございます。
皆様の声がなかったら、私はどうして良いかわからないままでした。
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