シマの事。⑦

2005年12月14日(水) 2005-12-14T02:20:40+09:00 406 / 4

タロが元気になってからシマとタロはいっそう仲良くなったような
気がしました。いつでも何をする時も一緒でトイレですらお姉ちゃんが
入ったら次はボク、見たいな感じです。その姿を見ていて
ホント癒されました。
そして一時期僕はシマ達と生活を別にしなければならなくなりました。
その理由は彼女の実家の都合で彼女が両親と暮らす必要が
あった為で僕は一人で寂しい生活を送る羽目になりました。
ネコがいる時はやれウンチが臭い、ゴハン食べたい、遊んで～！！！
とか色々ニャーニャーで「たまには静かな場所で過ごしてみたい。」
と思った事もありました。でも実際一人の生活が始まると違いました。
寂しくて寂しくてどうしようもないんです。
ウンチを片付ける事、ゴハンをあげる事、ネコじゃらしをピョコピョコと
動かす事が出来ない事が何と辛い事か・・・・・・・・。
そして彼女のウチに久しぶりに遊びに行く事になった時一番の不安は
ネコ達に「何だお前？」という態度をとられる事でした。
恐る恐るドアを開けるとそこにはシマとタロが座っていました。
平静を装って僕は二人に声をかけました。「お～っす！！元気か！？」
それを聞いたシマ達はちょっと「？」ってな感じでしたが僕の事を
思い出したのか「ニャ～！！」と足元でスリスリしてくれました！！！
「やった！！覚えててくれたよ！！」あの時はホントうれしかったです。
「プシャン！！！」そう思った瞬間シマがくしゃみをしました。
何かすごくネバネバした鼻水を飛ばしてます。聞けばここ最近鼻水を
飛ばすようになったそうで（一緒にいた時にも兆候はあったのですが）
このシマの鼻水にはこの後しばらく悩まされる事になりました。
シマの飛ばす鼻水はセ○ダインみたいな粘着力で壁とかに張り付いて
掃除がすごく大変なのです。彼女のお母さんは苦肉の策として
壁に透明のビニールシートを張る程でした。
後になって別の先生に見てもらったところ鼻に悪い菌がいた為で
こうなったとか。シマはもともと気管支が弱かったみたいでした。
彼女のウチが落ち着いたところで僕と彼女はまた新しいウチを借りて
皆で暮らすようになりました。やっぱり皆で暮らすのが一番です！！！
最高に幸せでした。シマも新しい先生の治療のおかげで鼻水も殆んど
出なくなりました。新しいウチでの生活（前より狭いけど）が始まって
何回年を越したでしょうか？クリスマスやお正月、ネコ達の誕生日、
記念日を色々考えては四人で楽しく暮らしていました。

ある日、僕は変なモノ（？）を見るようになりました。
それは白いネコです。外でみるなら「ノラのネコがいる」で済むのですが、
見るのはウチの中です。ウチの中に白いネコなんていません。
ウチにいるのはサバトラのタロとキジトラのシマです。
そうなんです、どうやら幽霊みたいなんです。当時僕は仕事が忙しく
徹夜が多かったので幻覚でも見たんかいな？と思っていました。
（僕は霊感が強い方ですが（彼女がアンテナの役目で僕が見るらしい）
まさかネコの幽霊なんて・・・。）
そのネコを見るようになってからタロの様子が少し変になりました。
ゴハンを食べると吐くようになったのです。最初は毛玉と思いましたが、
吐いたものの中に毛は混じっていませんでした。「何か変だ。」
僕達は獣医さんにタロを連れて行く事にしました。
なるべく早い方がいい、という事でいつものかかりつけの病院ではなく
近所の女医さんが（一人で？）やっている動物病院に連れて行きました。
その先生に経緯を話すと先生は触診を行ったのみで
どうやら胃が荒れているようですね。胃薬を処方するので与えて下さい。」
と言いました。（この病院に連れて行った事は一生後悔してます。）
一ヵ月ほど薬をあげて様子を見ましたが一向に吐くのは止まりません。
「これは絶対胃もたれなんかじゃないよ！！やっぱりいつもの病院に
行こう！！」僕達はタクシーを拾っていつもの病院に向かいました。
その先生に事情を話し診療をお願いしました。まずは触診から・・・。
先生の指がタロのお腹を触った瞬間、僕達に「お腹辺りに変なしこりが
ありますね。ちょっとソナーとレントゲンで調べましょうか?」と聞きました。
僕達はぜひお願いしますと言いました。この際健康診断のつもりで体の
隅々まで見てもらって治してもらいたかったのです。
結果が出るまで時間が掛かるというので一旦ウチに戻る事にしました。
途中、お腹が減った僕達はハンバーガー屋でハンバーガーを食べる
事にしました。病院を出る時先生は「シコリ、といっても脂肪の固まりと
いう事もあれば良性の腫瘍な場合もある。」と言っていました。その時の
僕達も良い方向に考えていました。タロがそんな変な病気になる訳が
ないと。
携帯が鳴りました。先生からです。彼女が出ました。
僕はその時彼女の横顔を見ていましたが段々と顔色が悪くなって
いくのに気が付きました。（つづく）