迷子のｾﾅ【８日目】

2017年6月5日(月) 258 / 0

この日の朝、休日だった旦那と入れ替わりで朝の捜索を行いました。
私が先に家を出て、ざっと周辺を回り帰宅してから旦那という形です。
私は仕事が有る為、帰ってすぐ身支度を始めました。

そしてこのあたりから助の様子にも変化が現れました。
明らかに食事の量が減り、嘔吐するようになっていたのです。
元々助はあまり毛玉も吐く方ではなく、何の前触れもなく嘔吐すると言う事はほとんど初めての事でした。
つい先日まで右の顎辺りにできていたしこりをなくすため、薬を飲ませたりしていましたが、その影響にしてはタイミングがおかしいし…。
などといろいろ考えてはいましたが、この時ははっきりとした理由に思い当たることはありませんでした。

午前中に先週予約した捕獲器が届き、旦那に受け取ってもらいました。
同時に外に設置できる録画機器もネットで注文し、着々と捕獲の準備を整えていきました。
夕方旦那に職場まで迎えに来てもらい、帰ってすぐ私はCさんのお宅へ伺いメッセージで聞いた目撃情報について詳しくお話を伺おうとしました。
残念ながらその時は不在だったため後程お電話で確認したところ、どうやらお外で遊んでいたお子さんとそのお友達数人が、少し離れた道の先で黒猫が座っている所を見たというお話でした。
距離があり赤い首輪などは確認できなかったそうですが、セナ以外に元々外に住み着いている黒猫とは違うように見えたと教えていただけました。

やはりセナは自宅の周囲にいるようだと考え、夕食後使用済みの猫砂を自宅周りと近所の道路に撒いて歩きました。
セナがこれ以上遠くに行ってしまわないようにするためです。
帰宅してから、捕獲器の準備に取り掛かりました。
仕掛けるのは翌日からの予定でしたが、カメラが届いてすぐ設置が出来る様にしておきたかったのです。
一般的には捕獲器を設置する際は段ボールや木の枠、カバーなどをかけて見えないようにする方がよいと言われています。
これはいかにもな見た目で警戒されないようにするためと、他の猫が捕獲器に掛かっている所を目撃され、警戒されることを防ぐ目的があります。
また、捕獲器の中にも新聞紙などを敷くのがよいとされています。
これも金網を隠すためであり、装置が踏み板式の場合は特に新聞紙など薄手の物が良いと言われています。
我が家には捕獲器をすっぽり収容できるほどの手ごろな箱や、カバーが無かったため、古いバスタオルを巻き、ビニール紐を更に上から巻いてタオルが飛ばないように固定しました。
セナはタオル生地が大好きで、よく洗濯物を広げているとその上に座っていました。
その事もあり、タオルは一度洗濯をして我が家のにおいをしっかりと付けた状態にしておきました。
中に敷くものも新聞紙一枚ではなく、新聞紙を何枚か折り畳み、それを更にペットシーツでくるんでテープで留め、長方形の形に整えて踏み板の邪魔にならないよう敷きました。
中を少しでも居心地良くすれば、もしかしたらセナが寝床として使うかもしれないと期待しました。
完成した状態で何度か作動確認をし、初めは作動させない状態で設置する予定だったので、本来の入り口とは逆の方を開けて用意しました。

そして夜も更けてきたころ、２２時頃でした。
Bさんから自宅の電話に着信がありました。
たった今、庭に黒猫がいたとのお話でした！
以前にもBさん宅お庭では目撃情報があり、これは完全にセナの拠点もしくは移動ルートに組み込まれているに違いないと思いました。
急いでBさん宅へ伺いお話を聞きましたが、聞いていくとどうやらセナではない可能性の方が高い内容でした。
一番の決め手は「鈴の音が聞こえた気がする」という情報です。
セナの首輪はお恥ずかしい話、子猫のころからずっと付けているもので、助とじゃれあっている内に鈴の金具が緩み外れてしまっていました。
なので、セナが走っても鈴の音はしません。
「気がする」ということは鳴ってない可能性も勿論ありましたが、私はこの情報については半々くらいの気持ちで留めておくことにしました。

自宅へ戻り、情報を整理してその日は就寝しました。

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