夕方、だいぶ雨脚が弱まったのを見計らってホームセンターへ行ったらまさかの店休日。
年に一度の棚卸ですって!
雨の中ぼーぜんと立すくむと私と猫の声。
へっ?猫の声?! 雨降ってるのに?!
仔猫が母猫を呼ぶような全身で絞り出すあの声です。
辺りを見回すと、ベンチの下に黒猫!
ガリガリだけど仔猫じゃない。しかも左目がグチュグチュ。
お腹を空かせてすり寄ってくる。
嗚呼。
保護したとして健康状態もわからない。強い感染症を持っていたら?
正直うちはキャパオーバー。
それに気管支の弱いシオンがいて、先生から野良を家に入れない方がいいと言われてるのに。
うちのこ至上主義の夫からも釘を刺されているのに。
車に猫缶が積んであるから、今だけお腹を満たしてやることはできる。
でも明日は? 明後日は?
ずっとこの子は雨の中でも物乞いして生きていかなきゃいけないの?
悲しかった。
雨でよかった。泣いてても傘でかくれるから。
ホームセンターの近所に住むばあちゃんちへキャリーケースを借りに行きました。
まだいたら捕まえよう。とにかく病院だけでも連れて行こう。
眼薬を続ければ、目はまだ残るかもしれない。
しょうがない。出会っちゃったんだもん。
やらない後悔より、やって反省が信条だもの。
いなくなっていたら、それまでの縁。
黒猫がいた駐車場へ急いで戻ってみると、姿はありませんでした。
安堵、、、の気持ちはなく、落胆。なんだ、私ってば保護する気満々じゃん。
缶詰を開けて呼びます。
「クロー! クロー! ごはーん、ニャーニャー!」
「……ニャー」
ってことで、我が家にいます。

診察台に乗せたら意外と大きくてびっくり。男の子でした。
でも体重は3kgしかありません。
タマタマがまだ活躍してそうじゃないから、1歳ぐらいだね、と先生。
逆に、活躍してるタマタマを見てみたい。と思ったのはここだけの秘密です。
時々、アーンと切ない声を出しながらも注射や採血を大人しく受けていました。
警戒心がないのです。嫌がるけど怒らない。びっくりです。
ウイルス検査はどちらも陰性。
でも、左目はダメでした。眼球は溶けて無くなってました。
成猫でハンデ持ちかー。里親さん見つかるかなあと、帰り道ぼんやり考えていたら、
「黒くて片目なんて、カッコいいね! 海賊みたい!」と息子。
その一言に救われました。そうだね、そうだよ。
隻眼の君、ハンデなんて気にならなくなっちゃうくらい、君の良い所をいっぱい見つけるよ! その辺のジャリタレなんて蹴散らしてあげる!笑
君のことをセクシーだと言ってくれる人がきっといるはず。
ぜったい良いご縁を探し出してみせるから!
「ほんとだね! イケてると思う! 優しい子みたいだし、人気出るねきっと」と言うと、
「名前はカリビアンがいいんじゃない?」と得意げに息子。
うん却下。それはイケてないと思う。
とりあえず、カリビアン(仮)の家猫修行は出だし好調で、
出張中の夫になんて打ち明けようか、それだけが悩ましいです。
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