とある場所で、痩せこけ、皮膚はゴツゴツとして硬く毛はほぼ無いに等しい、足には大きな傷、目は開けることができない状態のとても痛々しい姿をした子に出会いました。
早く病院に連れて行かないと、でも野良猫さんだし保護できるかな・・、段ボールとペットシーツならある・・これでなんとか・・と色々考えていると、その子が「に・・ゃ・・」と小さい声で鳴いたんです。
「大丈夫だから・・そのままじっとしていて・・逃げないで・・」と心で話しかけながら近づくと、一歩二歩・・と少しこちらに寄って来てくれました。
ペットシーツにくるんで段ボールに入れるとホッとしたのか横になって休んでいました。
急いで病院へ行くと「これは重度の疥癬ダニだよ・・噛まれた痕もあるからタヌキにやられて感染したかな」とのこと。
野良猫さんなので栄養状態も悪く免疫力もない状態で疥癬ダニに感染すると一気に全身に広がってしまうそうです。
その場で注射と塗り薬を塗ってもらいました。
今後のことを相談して帰宅して猫さんの様子を確認すると、ぐったりしている。
呼吸はしていますが、口が舌からでたままで、かろうじて少し開いている目からは意識がない状態に見え、
急いで病院へ引き返しました。
すぐに診てもらい血液検査と点滴をしました。ゴツゴツしているので、注射できるか?血抜ける?どこから?という状態です。
血液検査の結果、極度の栄養失調、低血糖、貧血、白血球は50000オーバー。
ギリギリのところを生きている状態でした。
先ほどうった注射がこの子の体が耐えられない程弱っていたと。
先生は注射は大丈夫だろうと判断したそうですが、血液検査の結果を見るとこの子はいつどうなってもおかしくない状態だったのです。
確かに最初に診察台で処置したもらった時に少し抵抗していたのです。その姿を見て先生は注射は大丈夫だと思ったそうです。
「申し訳ないことをしてしまった。とても危険な状態でここからどうなるかなんとも言えませんが、私の方で診させていただきます。」と言ってくれました。
少しでも良くなりますように・・良くなったらおいしいもの食べようね。。毎日祈っていました。
しかし4日後の今日の朝方、とてもとても残念なことにお空に旅立ってしまいました。
ずっと危ない状態でしたが、少し持ち直して、顔をあげたり動いたり、ご飯を少し舐めたりした時もあったようです。
もっと早く出会うことができていたら、もっと早く病院に連れて行けたら・・、私が先に血液検査をするようにお願いしていたら・・
何かが違っていれば助けることができたかもしれないと思うと、申し訳なくて悔しくて悲しくて・・
この子に餌をあげていた人がいたことがわかっています。
その人はどうしてこんな状態の子を放っておいたのか。
どうしてこんな状態になる前に病院に連れて行こうとしなかったのか。
どうしてこんなに苦しんでいる子を病院に連れて行こうとしなかったのか。
日に日に弱っていく子をなぜ放っておいたのか。
同じ人間という生き物としてこの子に本当に申し訳ないです。
こんな人がいることが悲しいし、とても理解することはできません。
きっと助けてって訴えていたんじゃないかな・・
辛かったよね、苦しかったよね、悲しかったよね。ごめんね。ごめんね。
私がアトピー性皮膚炎なので、痒いということがどれほど辛いことかわかります。
暑い時に痒みもある、これは本当に辛くて苦しいんですよね。
それが全身から毛が抜けて皮膚が硬くなってしまう程なんて・・想像もできないくらい辛くて苦しかったと思います。
ここまで一人で頑張ったね。人間なんて・・なんて思っていたかもしれないね。
でも最後の最後に、見ず知らずの私のことを威嚇もせず抵抗もせず、信じてくれてありがとう。
大丈夫だよ、なんて言ったのに助けてあげられなくて本当にごめんね。
どんな子だったのか何も知らないままお別れすることになってしまったけど、
きっとあなたは頑張り屋さんで強くて勇気のある子だったんだよね。
新しい世界ではおいしいものたくさん食べてごろごろお昼寝していっぱい遊んでね。
今度またおいしいもの買ってお供えに行くね。
お名前気に入ってくれたかな?りきちゃん(力生)。
こんな結果になってしまったこと本当にごめんね。助けてあげたかった・・。
また、いつかきっとまた、会えるといいな。
その日がくるまで、またね・・・。
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困っている子に手を差し伸べてたいと思う人が、助けたい助けようと思う人がもっともっと増えるといいなと心から思います。
できない理由ではなく、できることから、どうやったらできるかを考えて行動できる人が増えれば良いなと思います。
未来では犬や猫、動物にも救急車の存在が当たり前になるくらい医療体制が整っていたり、
もっと人間以外の弱い生き物にも優しい世界になっていたら良いなと思います。
(その為には財源がどうのこうのとか難しいことは一切わからずに言っていますが、お許しください。)
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