ミケばぁさん

2017年9月14日(木) 247 / 11

我が家は、三毛猫とは本当に縁がありません。

１匹もいません。

実家にいる時に飼っていた子が最後です。

そんな我が家には、ミケばぁさんとの思い出があります。

少し前になりますが、ある日、ガリガリの三毛猫がやってきました。
ご飯を食べるのもしんどそうな感じでした。

缶を出し、そして食べ終わると、どこかへ行きました。

また次の日、ミケばぁさんはやってきました。
ただ、ミケばぁさんは見るからに具合が悪そうだったので、病院へ行きました。

脱水が酷く、口内炎、痩せすぎで２キロを切っていました。
家に帰ると、ミケばぁさんはまたどこかへ行きました。

２〜３日でミケばぁさんは来なくなりました。
死んだのかも・・・と思っていました。

普段、通らない道を通った時、ある家の前でミケばぁさんを見かけました。

そのお宅は猫好きな方の家でした。
お話をする機会があり、話を聞いたところ、ミケばぁさんは娘ミケとその家でお世話になっていて、
娘ミケは避妊もしていただき、寝床も用意してもらってました。
ただ、ミケばぁさんの治療はしてなかったそうです。
年だから、痩せているのだろうと、思っていたようです。

それからまた時間が経ち、ミケばぁさんはさらに痩せて家へ来ました。

今回は、何処かへ行く元気はありませんでした。
痩せて力なくご飯を食べ、我が家で用意した寝床で寝ています。
病院に行き、脱水がひどいので、点滴に通いました。

助からないのは判っていましたが、少しでも改善になればと思い、通いました。

1週間ぐらい経った頃、朝起きたらミケばぁさんは、居ませんでした。

ミケばぁさんが、お世話になっていた家へ行きました。

そして、ミケばぁさんがいつも使っていた寝床で亡くなっていたと聞きました。

ミケばぁさんは、夜中か明け方に、自分の力を振り絞り、自分が選んだ居場所へ帰ったのです。

私は、最期のときの家には選ばれなかったのです。

ミケばぁさんは、そのお宅のお庭に埋葬されました。

でも、それでよかったのです。
何かの気まぐれで、我が家に数回来てくれて、最後は振られてしまったけれど、ミケばぁさんの望む最期だったと思うので。

どんな形であれ、本人の望む終わり方を迎えることができるのは、人も動物も同じで、幸せなことではないでしょうか。

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