クロの命日

2017年9月30日(土) 213 / 0

皆様、こんばんは。

今日は、以前うちで飼っていた猫の命日です。
黒猫の女の子で、名前はクロです。

当時、私は別の場所で1人暮らしをしていたので、
私にはクロとの濃密な思い出はありません。
写真も、携帯で撮った何気ない1枚が、
最初で最後の写真になってしまいました。

さきほど”飼っていた猫”と書きましたが、
当事者の両親には、長い事”飼い猫”という認識はなかったようです。

というのは、クロは元々、母猫からはぐれてしまったか、
置いてきぼりにされてしまった子猫だったからです。
ある日、庭に子猫だけがいるのを見つけたそうです。

冷蔵庫にあった牛乳をあげてみたところ、そのまま庭に居ついたそうです。
だから、”たまたまうちに居ついた野良猫”という認識だったそうです。

その認識が改まったのは、クロがいくつの頃だったか分からないそうですが、
台風が関東に近づいていたある夜の事でした。

庭の片隅で、雨に吹き付けられながら小さくなっていたクロを見つけて、
せめて台風の間だけでも雨宿りさせてあげようと、
(素手で！)摑まえて、家の中に入れたそうです。
クロはなんの抵抗もなく捕まって、身体も拭かせてくれたそうです。

翌朝、台風が過ぎたので、窓を開け放って、
「さぁ、出てお行き」と言っても、出て行かなかったのだとか。

しばらくは、トイレのたびに外に出ては、速攻で帰って来て、
「入れて～」とでも言うように鳴き続けたので入れてあげる、
を繰り返していたそうですが、
猫砂を家の中に用意したら、次第にそれを使うようになり、
最終的には一歩も外に出なくなったそうです。

ここまできて、さすがに”野良猫”ではないな、と認識を改めたそうです。

麦や花と比べると、クロは大人しくて、いたずらもしない、いい子だったと両親は言います。
確かに、私の記憶の中のクロも、お日様の当たる床の上や、
ソファーの上で、いつもうとうとしていたような印象です。

クロにとっては、家の中こそが、求めていた安住の地だったのかもしれません。

5年前の9月30日。
クロは自ら選んだ安住の地で、息をひきとりました。14才でした。

若いころはほぼ野良猫状態で育った事を思えば、
長生きできた方だと、思う事にしています。