娘が学校帰りにまだへその緒がついた
三毛猫の赤ちゃんを連れて帰ってきた。
元気に「みゅー、みゅー」鳴いていた。
前日に大雨が降り、体も口の中も泥んこだった。
とりあえずはタオルで濡れた体を拭き
手の中で暖めた。
娘は無邪気に
「うちで飼ってもいい?」
と聞いてくる。
我が家には既に3匹の猫がいたので、これ以上は無理だと思い
保健所に連絡をして引き取ってもらう事にした。
子猫のミルクボランティアさんの存在を聞いたことがあったので、引き取られた子猫はその方たちに預けられ
里親に出されるのだと思った自分がいた。
保健所に連絡すると
「本日はそちらの方には回収が行ってないので、明日の回収になります。」
と言われた。
「回収」と言う言葉がとても嫌な言葉に聴こえてしまった。
更に
「へその緒がある子猫は回収後、殺処分になります。
そのまま焼却処分になりますのでご理解の方をお願いします。」
と事務的に話されてしまい絶句してしまう。
まだ生まれて間がない子猫は短時間おきのミルクや、育たない事が多いので回収後は殺処分する事になってる事を聞かられた。
私は
「あっ、、、やっぱり大丈夫です。こちらで保護しますので」
そう告げ電話を切った。
そうなると3匹も4匹も同じ気がしてしまい、すぐさま猫用のミルクと哺乳瓶を買い子猫のお世話を始めた。
娘も猫ちゃんが家族になると大喜び
大変だけど家族で頑張ろうと覚悟を決め
娘を塾に行かせて帰ったら名前を決めようねと話していたのに
中々うまくミルクが飲めず、鳴き声が弱く聴こえてきてしまい、すごぐ心配で夜間でも診てくれる
動物病院を探し出し電話連絡をして子猫ちゃんを連れて行った。
そこで、診察を受け
先生が
「栄養が足りてないんだよ」
と言うと子猫の背中に注射した。
注射の液が子猫の体を二倍に膨れさせた。
「今背中に栄養剤を入れたから、これ少しずつ体に吸収されるからね」
と言われ子猫を手渡された。
先生が注射をするまでまだ鳴いていた子猫は、私の手の中に返された時には、力は抜け動くことも鳴く事もしなくなっていた。
私が
「えっ?あの動かないし鳴かないですよ?」
と言い先生に渡すと
その場で蘇生処置を始めた。
「あぁ、ダメだね死んでるね」
そう言うと私に子猫を返すと
「弱ってたからね、仕方ないよ」
そう話を続けた。
その先生の処置が正しかったのか、間違ってたのか今だに私には解らない。
でも、私は二度とその動物病院に大切な家族を連れて行かないと決めた。
娘に
「ごめんね、助けてあげたかったんだけど、ダメだった。お庭に埋めてあげよう」
と泣きながら謝ったのを覚えている。
今でも子猫は我が家の庭で眠っている。

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