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7月23日(日) 「猫カフェねこ亭」へメールを送信
家の玄関の前に2匹の猫が居座っています。
雄猫が雌猫を襲っているので、メスが妊娠してしまうかもしれません。
携帯電話番号をお伝えしますので、連絡頂けると幸いです。
7月25日(日) 「動物基金」へメールを送信
自宅によく来る2匹のうち、1匹がメスです。さくら耳ではないのです。
オス猫と一緒にいる姿をよく見かけるので、妊娠は時間の問題で野良猫が増えてしまいます。
大分県は協力病院が1件も無いので、出張トラックで来て頂けないでしょうか?
私は無職なので今は猫を保護して十分な治療を受けさせる余裕がない立場です。
経済面に加えて車の運転も出来ないので本当に力不足な立場です。
2匹の猫
・1匹 雄 皮膚病(かなり酷い)
・1匹 雌 皮膚病
痛々しい姿なので茶トラの雄猫は動物病院に連れていったのですが、
飼い主がいないのなら診れないと言われました。
せめて雌だけでも避妊手術をして野良猫を増やさないように出来れば幸いです。
雌猫は玄関の前にずっと座っています。水も飲まないし食べ物も全く食べません。
出張してもらうには、私1件だけの依頼では難しいでしょうか?
家族(父・母・妹)に協力者はいず、関わるな、無視するしかないの一点張りで
皆放置する以外選択肢はないと言います。
私はせめて、雌猫だけでも避妊治療をして地域に野良猫が繁殖するリスクを減らすことが最善だと思うのですが、
うちでは飼ってあげられません。力をかして頂けないでしょうか?
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これが問い合わせをして残っていたメールの全記録です。
23日にみーちゃんが突然現れ、その続きを今日はお話します。
暑い夏の日の出来事、2017年7月23日(日)みーちゃんと初対面をはたした直後、
平屋の正面に移動してきて、玄関扉の前のスペース、四隅の右上の端っこにペターっと横たわりました。
そこは丁度影になっていて、地面はタイルでヒンヤリとしています。
だけど目の前は旧国道、スピードを出した車が頻繁に通るためとても安全とは言えません。
目が離せないので、出来るだけみーちゃんの傍にいることにしました。
真っ先にいりこ、お水とミルクを差し出しました。
だけど、全く食べてくれません。
鼻の傍に近づけニオイを嗅がせても、嫌がるように顔をそむけ「拒絶」するのです。
全然何も食べない・・・・・大丈夫なんだろうか・・・・・・病院に連れていってあげたほうがいいんだろうな。
寅ちゃんがいりこをすぐに食べたのを目の当たりにしてたので、みーちゃんが食べないことはずっと気がかりでした。
みーちゃんのこの行動は、しばらく続くことになるのです。
唐突ですが上記のメールで「動物基金」に問い合わせた最大の理由について。
みーちゃんが居座り続ける姿に心を打たれ、私は動き始めました。
痩せ細った体で飲み食いせず、ただ玄関前の隅っこに居続け、じーーーっと耐えているみーちゃんの姿を見てたら、
何か出来ることがあるはず、今の私に出来ることならしてあげたい!絶対に見捨てるなんか嫌だ!と決心しました。
その時にTNRを初めて知り、野良猫が飼えない人が出来る対策を発見したのです。
TNRについて調べ、それが必要だと認識した私は妹と母にそのことを説明しました。
「野良猫を放置したら、すぐに妊娠して野良猫が増えて大変になる」と。
野良猫の妊娠率の高さ、避妊の必要性、見て見ぬ振り、放置すれなら、
近い将来、地域で新たな問題に直面することになると、一生懸命自分の言葉で伝えました。
ところが妹は聞く耳を一切持たず、野良猫に関わろうとする私を間違っていると一方的に批判し責めました。
「野良猫1匹避妊したからって、それに何の意味がある?根本的な解決にならんなら意味ない」
「それでも、まずは避妊手術をしないとすぐに妊娠して地域に野良猫が増えてしまう。可哀想だからそれは阻止したい」
「この野良猫が妊娠するなんてなんでわかる?妊娠出来ない体ってこともあるやろ?なんで妊娠前提になるわけ?」
「でも、最悪のことを想定して、今やれることをやるべきだと思う。私が里親を探すから」
「は?里親が見つからなかったら?うちでは猫を飼えないのに、見つからなかったらその時はどないすんねん!!」
「だから、見つからないって決め付けないでよ。治療して見た目が良くなったら里親見つかるかもしれないから」
「見つからない場合は?仕事もしてないし、ここはあんたの家じゃないやろ。両親が反対してるなら無理やろ。」
「だから見つからないって決め付けないで、見つかるって可能性もあるんだから。」
「とにかく避妊手術なんか無駄!どうせ飼えないんだからこれ以上関わるべきじゃない!!」
「もしそうしたいなら、誰にも迷惑かけんでやるべきやろ!!」
妹は、最後まで自分の主張を貫き、私の「この子をなんとかして救いたい」という気持ちをわかってくれませんでした。
母も同様で、「仕方ないでしょ!あの野良猫が勝手にやってきて居るだけなんだから。もう関わるのはやめなさい」
そして、父「絶対猫なんか飼わん。毛が抜けて家が汚れる。ニオイも好かん!とにかく絶対飼わん。入れさせん!!」
このやりとりは(口調が多少違っていると思いますが)ほとんど嘘偽りの無い事実です。
当時、「野良猫」「避妊手術」「まず動物病院へ」など、
猫を飼う誰もが常識として認識している情報を、うちの家族は誰一人として知りませんでした。
また自ら学び、知ろうともしませんでした。
彼らは常に私とは真逆の立場に立ち、真逆の考え方で、真逆の行動をしたのです。
そして、私は孤立して、孤独でした。
「本当に助けて欲しいのに、こういう時に誰も手を差し伸べてはくれないんだ」と。
運転が出来ないので、妹には運転してほしいと思っただけでした。
避妊手術の費用は私の貯金で出せるし、ただ病院に行く足がないので家族に協力を求めただけなのに、
想定外に否定されたので、正直本当に失望しました。私の感性は家族には受け入れてもらえないのだと。
これは今でも強烈な体験として記憶に鮮明に残っています。
私の家族は「鬼」だと本気で感じたのです。残酷で、無責任で、冷たい人たち。
玄関に丸2日も居続け、飲み食いせず、ただじーーーっと横たわっている貧弱で痩せ細った猫。
誰がどう見たって可哀想な姿の野良猫に対して、「もう関わるな!無視するしかない!」で片付けた人たちです。
そんな事情もあってネットにかじりつき必死に調べました。
「問い合わせ」をし、切羽詰ってクラウドファンディングに手を出しました。
「他人だ!他人の方がきっと力になってくれる!」ズタズタに傷ついた心の拠り所は、家族ではなく他人でした。
担当者と話を進める最中、「最低20人にメールしてもらうので、メールアドレス20名分必要」と言われ、
絶望しました。そんなに友達いません。家族は除外しなくちゃいけません。
「え?人脈もつてもないから、クラウドファンディングなのに、結局自分の人脈を使えって?」
また「野良猫の引き取り手を今教えて下さい」とも言われたのを覚えています。
「え?だから保護して、病院で診察して、それなりに見栄えがよくなってから里親を見つけるって説明したのに、
今この時にそんなこと条件にあげるわけ?」
クラウドファンディングをマニュアル通り進めていくには、一定の条件を満たさないといけませんでした。
自分には仕事が無く、金もなく、友達もなく、そして家族もいないも同然で、
何にもないなんて無力な存在だろう・・・・・・・非力、情けない、どうしようもない人間だと痛烈に感じたものです。
家族すら説得出来ず、協力も得られず、あんなに弱って人の助けを求めてるであろう野良猫1匹すら守れないのかと、
自分が人生をかけて積み重ねてきたものが「空っぽ」だったんだと、これほど身に染みて感じた日はありません。
結局、動物病院に連れて行くことすら「勝手に1人でやれ」と家族に見放された私は、
冷たいタイルの上で静かに休み続けるみーちゃんの真横に座り込み、うちわであおぐことしか出来ませんでした。
ただ横にいて見守り、観察して、時にうちわであおいであげて、水とミルクといりこを置いたり、引っ込めたりの繰り返し。
だけど、やっぱり何も口にしない。
みーちゃんをそうさせたのは何なのだろか?
何がそこまでさせるのだろうか?
うちなんかにやって来て、待ち続ける意味なんかあるんだろうか?
他にもたくさん家があるんだから、どうか優しい人間のお宅に行かないだろうか?
何も口にしないのは何でだろう・・・
鼻が利かない?食欲が無い?人間から餌をもらうのは信用出来ない?警戒心が凄く強いのか???
わからない。
わからない。
わらかない。
わからないことしか、ない。
この当時の私は、未だネコジルシの存在を知りませんでした。 つづく
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