空豆が我家に来た日のお話をさせてください。
「産まれて、今日でちょうど一ヶ月ですよ。」
動物病院の先生から手渡された仔猫は、
5月5日産まれの小さな女の子。
うす曇の5月の灰色の空のようだ。

ミューミューと鳴く小さな毛糸玉のような
灰色の塊をだいて玄関を開ける。
お迎えに出てきた景虎は、私の手元をじっと見つめる。
仔猫を床にそっとおろしてみると、景虎はビクッとかたまり、
猛ダッシュで逃げだした。
その後は、 3メートルも離れて
ピクリとも動かすに、3時間も凝視していた。

次の日は2メートル、次の日は1メートル
次の日は50cmとだんだんと近寄ってきた。
でも、仔猫がそばによろうとすると、ダッシュで逃げていく。
小さな毛糸玉の仔猫は、注射器でミルクをもらい、
お湯で柔らかくした、キャットフードをちょっとだけ食べた。
でも、心細いのか、寂しいのか、相変わらず、
か細い声でみゅーみゅーと鳴いている。
そんな時、景は、仔猫と私達の顔を交互にみて、
「ちょっと、お母さん、この子なんだか泣いていますよ」
こわごわと頼りなさげに、子猫の周りで途方にくれている。
この感じ…どこかで見たわ??(―_―*)(*―_―)
そうそう、22年前、たった2500グラムで産まれた
娘を家に連れて帰った時の、夫の反応だ(*^m^)o
家族皆、必要以上に景虎に声をかけ、抱いて遊んでいるのに、
景虎君チョットご機嫌斜めだ。。 仲良くなれるかナァ…
小さな命のぬくもりと、巡り合いの不思議さに
心から優しさがあふれ出す。
静かな優しい夜のはじまり。
最後まで、お付き合いいただいてありがとうございました。
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