慌ててむうたにごはんの準備。
まずは食べやすいものを。
温めた猫ミルクとペースト状のフード。
無事完食。
まだ食べたそうなので、仔猫用の柔らかフード。
一生懸命食べているむうたは、うちを飛び出した時より、明らかに痩せて、あばらが浮いて見えるほど。
体も汚れて、よだれもひどくなってる。
口が痛いのか、時々顔を傾けながら、それでも一生懸命食べ続けるむうた。
雪の降る中、寒かっただろうに、冷たかっただろうに、それでも必死でうちを目指したむうた。
「よく帰ってきたね。もう嫌なことしないから、どこへも行っちゃダメだよ」
その後、ガレージにジョイントマットを敷いて、その上に保温シートと使ってないラグ。
さらにペット用ヒーターの上にコタツ型に切ったダンボールを置いて毛布を掛けて即席コタツの出来上がり。
警戒しながらも中に入ってくれました。
その日からむうたはまた元のようにうちで過ごすように。
ガリガリに痩せて、弱り切っているむうたを見ると、本当はすぐにでも病院に連れて行きたいところですが、前回の失敗を踏まえ、もう何も無理強いはしないと決めました。
まずはちゃんとごはんを食べて体力つけないと。
そして、昼はガレージ、夜は家の中に入ってくるという生活に逆戻り。
夜は寒くないように、居間にオイルヒーターセット。
ミルクや缶詰めはなんとか食べられるようになりましたが、カリカリはまだ痛くて食べられない。
なんとか食べようと頑張るむうたですが、よだれでベトベトに固まり、半分以上残してしまいます。

振り出しに戻って数日。
朝、居間に入ると、まだむうたは居間で寝ています。
私が居間に入っても、いつものように逃げ出さない。
昼も夜も居間にいる。
そのまま、ごはんも居間。
トイレも居間。
寝るのも居間。
どうやら、居間を自分の部屋と決めたようです。
むうたに居間を占拠されてからは、自分の晩ご飯の時以外は居間に入らないようにしていました。
私が同じ部屋でごはんを食べていても、もうほとんど警戒していません。
こたつ布団の上から動く気配もありません。
そんな生活が2週間ほど続いた日。
その日の晩ご飯はお好み焼き。
いつものように、むうたから少し離れた場所に座って食べ始めます。
すると、むうたが起き上がって、私の方に近づいてきます。
「なぁ〜」
ん?食べたいのかな?
「欲しいの?むうた?」
「なっ。なぁ〜」
本当はダメなんでしょうが、小皿に少しお好み焼きを入れて、むうたの前に。
むうたはふんふんにおいを嗅いだ後、お好み焼きを完食。
初めて、むうたが自分から私に要求してきた瞬間。
においにつられたとはいえ、私のことを危険じゃない、と認めてくれた瞬間。
「そっか、そっか。むうた、おいしいか?よかったね。むうた、おいしい、よかったね」
やっぱりむうたはうちの子だよ。
もうどこへも行かなくていいからね。
大丈夫。
きっとうまくやれるよ。
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