そして抱っこすると、膝の上で眠るという決まりだった。
ある時、母が風邪をひいたとき、トイレに行くのも辛かった時、猫侍がいつもと様子が違う母に気づいた。
キッチンに立っている母にニャーニャーと鳴いてみるが、その日はミルクももらえず、黙って寝室に行く母を追って行く猫侍。
布団に入る母の上に乗り、弱々しくニャーニャー鳴く猫侍。
寝ている母を見ては、寝ている周りをくるくる周りながら、母の匂いを嗅いでいた。
病院で薬をもらい、体調が戻ってきた母が座っていると、猫侍がニャーと鳴き抱っこをせがんだ。
母が、『ここにおいで、ジジ』というと、猫侍は、嬉しそうに母の膝の上に座った。
母に母猫の温もりを感じているように見えた。
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