最初に姿を現した時、それは丁度外猫達に夕食を与える時間だったが、暗がりで、丁度同じくらいの黒猫『テディあらため徹子』に大きさがそっくりだったため、気がつかず、『おー、テディ、今日は随分変わったところでたべてるなぁ～』などと何気に触ってみたら、背骨が浮き出る程痩せこけており、『あっ！この子テディじゃない！』ということでびっくりしたことを覚えている。
よくよく確認してみたら、大風邪を煩っているようで、食事もやっとのことですすっているような状態、家内と二人で捕獲して、お医者様から頂いている抗生物質を飲ませようとしたが、思いっきり抵抗され噛まれる始末。
次の日捕まえて健康状態を確認しようと思ったが、姿を現さなかった。数日後、再び姿を現した時を狙って、具に状態を確認したら、後ろ足が完全に折れていることが判った。でも、最近怪我をしたのではなく、相当前に、事故かいじめかそれは判らないが、骨折したようで、人間で例えれば、右足のスネあたりが完全に外側へ90度折れたような有様だった。
すぐにかかりつけの獣医さんへ電話で相談し、対応を確認したが、相手は完全な野良猫で、なかなか捕まらないから始末が悪い。
その後、その子はウチのベランダに無造作に置いておいたダンボールの空き箱に隠れて休むようになり、それでは可哀想だからと、発砲スチロールやダンボール、使わなくなった冬用のカーテン生地、そして毛糸の座布団などを使って、彼専用の小さなお家をテラスに誂えてあげた。そうしたらそこが自分のお家だと気に入ってくれて、いまでは毎晩そこでおねんねしている。
それから二ヶ月余が経過し、漸く心を開いてくれたのか、近づいても逃げなくなり、写真を撮らせてくれた。
見ての通り、身体は薄汚く、右足に大きなたこができており痛々しいのだが、彼なりに元気に成長し、痩せこけていた身体も、少しずつだが太って、体力も回復して来ているように見える。
なんとか、膝の上にだっこできるようにまで馴らせて、お風呂に入れてあげたり、獣医さんのところへ連れて行き、予防接種等を施して上げたいのだが、それはもう少し時間がかかりそうだ。
恐らく、何らかの病気を持っていることは想像に難く無いが、幸い彼は自分が足が悪いことを知っているのか、他の猫と違うことを知っているのか、我が家のネコ達とは一切遊ぼうともしない。
いつも一人で行動し、昼間は玄関の前でひなたぼっこしており、他の猫もそこが彼のお気に入りの場所だということを知っているようで、彼には近づこうともしない。
沢山の野良猫達の面倒を見て来ているが、足の折れた猫は彼で二匹目である。
ぺったん したユーザ
ぺったん
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