お別れを言いに来た子猫(追記)

2018年2月18日(日) 525 / 4

１年ぐらい前に公開した日記へ、
少し追記して、もう一度アップします。

うにさんが１歳ごろの出来事だったかと、思います。

暖かな昼下がり。
うちのとなりの壁際で、６、７匹ぐらいの
キジトラの子猫がべったり、くっついて
寝ているのを見つけました。

明らかに野良猫の子。ネズミのような大きさ。
まだ、生後１ヶ月にもならないぐらい。

近くに母猫の姿はありませんでした。

あまりにもかわいいので、つい、１匹ぐらい、、、
なんて、考えてしまいますが、

母猫が帰ってくるだろうし、かわいいからって、
無責任に頂戴するわけにもいかないので、
そのまま、そっとしておきました。

その数時間後でしょうか？
僕が部屋でゴロゴロしてると、家の外から、
子猫達が、やたらに、ミーミー鳴く声が聞こえてきました。

さっき見た、あの子達かな？って、すぐ思いました。

窓から外を覗くと、、、、
家の横にある、川というか、用水路に、
あの子猫達が落ちていってる瞬間でした。

僕も最初から見ていたわけではないので、
本当の状況はわかりませんが、

僕の想像では、、、、

あの子猫達は、母猫を探していたのか、
散歩して、遊んでいたのか、

そのうちに１匹が、川に落ちてしまい、、、
でも、その子は運よく、川の淵にへばりついて、
流されずに済んで、川の淵にへばりついたまま、
ミーミー鳴いていたんじゃないかと、思います。

川の上にいた兄弟達は、
川が危ないものだなんて、認識もなく、ただ、
１匹が、ミーミー鳴く声が聞こえるから、
そっちへ行こうとして、次々に川に落ちて、
流されちゃったんじゃないかな、と、

あくまで、僕の想像ですが。

…………とにかく、僕が窓から外を見たときには、
川の淵に１匹へばりついて、ミーミー鳴いていて、
川の上には３匹。

(何匹かは、もう、落ちて流されてしまったのでしょう。)

そして、川の上にいた３匹のうち、１匹が、
まさに川にダイブしたところでした。

僕は、慌てて、裸足のまま、窓から飛び出し、
川へ飛び込みました。

たぶん、流されてしまったであろう子達は、
かわいそうだけど、あきらめなくては
なりませんでした。

とりあえず、川の淵にびしょ濡れでしがみついてた子を
助けあげて、、

川の上で、最後に残ってた２匹を、もといた、
隣の家の壁際へ戻しました。

心配だけど、この、残った２匹は、
母猫が戻ってきて、面倒みてくれることを
願うしかない。

僕にできることは、川の淵にへばりついてた、
びしょ濡れの子を、家に連れ帰り、身体を拭いて、
乾かして、ブランケットで暖めてあげることでした。

生後、間もない子猫が、何分ぐらい、
冷たい水に浸かっていたのでしょうか。

さっきまで、川の中でミーミー鳴いていたのに、
もう、かなり衰弱してしまっていて、
鳴くことも、目を開けることもできなくなっていました。

うにさんも、子猫の様子を黙って、見つめていました。

このままでは、、、と、
慌てて病院へ連れて行ったのですが、、、、

『とりあえず預かるけど、、、こりゃ、ダメだな。』

先生はそう、おっしゃいました。

とにかく、先生にお願いして帰るより、
他にありませんでした。

家に帰って、隣の家の壁際を見ると、
２匹の子猫はもう、いませんでした。

無事、母猫が迎えに来てくれたことを
願うばかりです。

その夜は、

あの子、、どうなっただろうか？と、考えてしまい、
あまり寝付けませんでしたが、、。

朝方、、、、
僕の耳元で、子猫が元気な声で、

『ミー！！』

と、鳴きました。

僕は、びっくりして、飛び起きました。

うにさんは、寝ていたし、、、うにさんの鳴き声じゃない、

もっと小さな、子猫の鳴き声。

なんだか、あの子がいるような気がして、
部屋の中を見回してしまいました。

夢だったのかも。

空耳だったのかも。

でも、、、本当に、、びっくりして、
飛び起きるくらい、

耳元で、リアルな声だったんです。

あとで、病院へ電話してみました。

先生は、、、

『やっぱり、ダメだったよ……。』

僕は、霊感とか、第六感とか、全く無い人間です。

でも、、、もしかしたら、あの子がお別れを
言いにきたのかな？

そう、思いました。

もし、元気になってたら、うにさんの仲の良い
友達として、僕の家を、
うにさんと一緒に走り回ってたのかも、、。

今でも、キジトラさんをみると、
あの子の事を、思い出すことがあります。

※ここからが、追記です。

あれから、16年近くすぎて、

去年の夏、僕の前に現れた、くるみ。

麦わらさんで、
後ろ姿は、サビネコさん。

でも、正面から見ると、キジトラさんに見えます。

16年前に助けられなかった、
あの子の生まれ変わり、

だとは、思いません。

あの子は、あの子。
くるみは、くるみですから。

でも、もしかしたら、
あの子を救えなかった僕に、
もう一度、与えれた機会なのかな？

なんて、思ってしまいます。

くるみに、幸せな生涯を過ごさせてあげたいと
思っています。