もう7年前 その2(猫なし)

2018年3月11日(日) 2018-03-11T21:02:53+09:00

• 東日本大震災

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続き



｢はぁ！？気仙沼で10mの津波！？｣

その一言で、屋上がざわめきました。そのビルの、屋上までの高さが10mほどだったのです。もしかしたら、ここにいても危ないかもしれない･･･でも、他の場所に避難する時間もない･･･
仕方なく皆、手すり等につかまり、その時を待ちました。

40分ほど経ったでしょうか。
不意に、海面が仙台港の防波堤を乗り越えました。
やがてそれが濁流となって、建物や車を飲み込みながら、町の内側へ流れて行きました。本当にあっという間で、さっきまで町だったところは、瓦礫の浮いた大海原になっていました。
後から確認したところ、私のいた場所の津波は7m弱だったそうです。
おかげでビルの上階は何とか難を逃れ、私達はそこで一晩過ごすことになりました。

とはいえ、とても寝られる状態ではなく、一晩ずっと窓から外を眺めていました。

見えるのは、真っ暗な町と、真っ赤な明かりだけ。

パトカーや消防車の回転灯と、被災した車が発する、大きな炎。

それと、少し先にある、石油コンビナートの火災。
夜が明けても、ずっと燃えていました。

明るくなって、自己責任であれば帰っても良い、と誘導員の方から通達があり、母にも連絡がつきましたので、私と弟は帰ることにしました。
しかし、ただ待つのも苦痛だったので、道の途中まで歩くことにしたのです。
外に出てみると、上から見るのとは世界が違いました。アスファルトと思っていたのは、津波で流れて来たヘドロでした。その上には、魚やエビが跳ねています。
また、色々な物が町の中にあり、そのどれもが原型を留めていませんでした。
電柱に巻き付く車もありました。
見慣れた場所のはずなのに、迷いそうになるほどの変わり様でした。

その後、無事に母と合流し、家に帰ることができました。
家も、家族や親族も皆無事だったと母から聞き、そこでやっと、気持ちが落ち着きました。

で、この後なんですが･･･
実は、家に帰ってからの3日ほどの間、記憶が無いんです。
ほとんど自室のベッドにいたらしい😅

3日目？に母から水の配給が来るから手伝って～と言われ、そこでやっと我に返りました。
そこからは必死で食材を集めました。
車はガソリンがもったいないので使わず、歩いて山菜を採りに行ったり、物資が入ったと聞けば店に並び。
食材を手に入れてもガスが来ていないので、七輪でご飯を炊いたり、山菜を天ぷらにしたり。
火起こしと山菜採りのスキルって、こんなに便利だったんだなぁ、なんて考える余裕も、この頃には出来てきたり。

2週間も経つと、無事だったバイト先から再開するから手伝ってと電話が来て、なんやかんや元の生活に近づいて行きました。


町の様子はテレビでもやっている通り、7年経った今でも、元通りには程遠いところにあります。
私が自分の体験を書くことで、少しでも故郷の役に立てればと思い、今回こちらに書かせていただきました。
よかったら、東北の物産展に行くとか、被災地産の物を買うなどして下さると嬉しいです😄

大変長々と、失礼致しましたm(_ _)m
読んで下さった方、ありがとうございました☺