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初めて耳にした多発性嚢胞腎という単語。
知れば知るほど、絶望していった、その病名。
先日、病院で受けた血液検査の結果は、
その病によって、既にひどく悪化していたもんじゅの状態を如実に示すものでした。
SDMA: 37
BUN: 111
Cre: 8.2
猫ちゃんの腎不全の状態をステージで分けているIRIS分類でみると、
「腎不全ステージ4 重度の腎不全(末期)」
こんな数字になるまで、私は何をしていたんだろう。
本当に、何もかもが、後悔ばかり。
いやいや、ここはもう、これ以上後悔ばかりしたって仕方がないんです。
いまやるべきことを、しっかりとやっていかないと。
とにもかくにも、すぐに対処していかなければ、ならないこと。
「皮下輸液をしていきましょう。自宅でも出来て、猫ちゃんに負担が少ないです」
もんちゃんの治療方針は、連れ合いと私の間では、既に決まっていました。
そして、普段お世話になっているキャットクリニックの先生も、同じようなことをおっしゃってくださいました。
『少しでも快適に、ストレスを減らして、今まで通りの生活をさせてあげること』
血液検査の数値だけみれば、状況は最悪。
けれども、たぶん、けっして数値だけがすべてではなくて。
実際のもんちゃんの様子をみていると、
『あのね、いま、ちょっと気分が悪くて、ちょっと食欲ないだけなの』
そんな風に言っているだけのようにも、見えてしまって。
もちろん、我慢強い猫ちゃんのこと、すごくすごく無理してるのかもしれないけれど。
それでも、だったら。
食欲でるように、大好きな美味しいものをいっぱい食べれるように、
ご主人様の気分不良は、下僕が解消してあげなくちゃじゃないですか。
皮下輸液を行う意味、設置方法(パックを吊るして行う方法でした)、手順、注意事項。
先生に丁寧に指導してもらいながら、さっそく、実践です。
――はい、実践だったんです。
猫ちゃんに輸液だなんてこと自体初めて見るのに、
実際に、私がこの手で、もんちゃんのムニンっとした皮膚をつまみ、なんだか思いのほか太かった針を刺しました、ええ、ぶすっと。
はい。
そして、しょっぱなから、やっちゃったのです。
「わーっ!!!! なんか漏れちゃってます!!」
びくびくしながらも、どうにかこうにかで針を刺し、スーっと輸液が落ちはじめたのを見て、
ほっとしたのもつかの間の出来事でした。
即座に、先生に助けを求める私。
刺した針が皮膚の向こう側に突き抜けてしまっていたようで、
輸液が、ダバーっと、もんちゃんの毛を濡らしていました。
うわーん、だから、いきなり実践なんて本当は嫌だったんです。本当に不器用なんだもん。
「こういうときは、こうやって針を少し手前に引いて、はい、そうです。それで大丈夫!」
せ、先生、もしかして、私がミスするのわかってましたか?(;´・ω・)
あえて、失敗からの修正方法まで、いまレクチャーしてくださったのですか?(;'∀')
「漏れだしたところは、こうやって軽く押さえれば問題ないです」
そういって先生が、アルコール綿で針が貫通したのだろう箇所を抑えると、うっすらとした血が滲んでしまいました。
「・・・・・!!!!」
もうね、パニックです、私。
針を抑えている手元が震えて、あたふたとしてしまいました。
だって、血!
もんちゃんの背中から、うっすらとはいえ血が滲んでるじゃないですかぁ!
「もんちゃん、ごめん~っ」
「大丈夫ですよ、よくあることです。本人も、痛くないはずですよ」
私を宥めるためなのか励ますためなのか、先生の言葉が優しすぎて、もうね・・・。
だいたい、6,7分だったでしょうか。
もんちゃん、初めての皮下輸液、250ml。
もともとが、ビビリやさんのもんじゅです。
いつも病院では、固まってしまって、逃げることさえ思いつかないようなタイプのおっとりさん。
昨日の血液検査に続き、今回も、ものすごく、おりこうさんでした。
だからこそ尚更、失敗してしまった自分が、ほんと情けない。
こんなとこまででも、下僕失格。
病院から帰宅後、そりゃ、疲れたのでしょう、日向ぼっこしながら寝てしまったもんじゅ。
今度は上手に針がさせるように、頑張るからね!
心に誓った2月の頃でした。
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「ねえ、はやく、じょうずになってよねっ」
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