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水曜日はこの冬一番の寒さで、また雪が積もったけれど、軒下でUターンしてしまった先週の雪の日とは違い、みゆちゃんは果敢にも雪の降る庭へ出て行った。
みゆちゃんの肉球はあんなに可愛いピンク色でふわふわ柔らかいのに、冷たくないのだろうかと思う。意外と平気そうに雪の上を歩いていく。立ち止まって、澄んだ空気のにおいを嗅いでみたり、雪の積もった枯れ草のあいだに鼻を突っ込んだり、雪を口に入れたりしている。庭の木の下でじっと上の方を見ているのは、裏の家の木にメジロが来ているらしい。
寒いから家の中に戻りたいというような素振りもないから、しばらく放っておいたあと、どうしているかと外を見たら、みゆちゃんの姿がない。どこで遊んでいるのかしらと思って窓を開けて呼んでみたら、にゃにゃにゃーっという返事の声が聞こえて、死角になった裏口のほうからまっすぐ飛んで戻ってきた。窓が開いていないから、裏口のトタン屋根の下で止みそうもない雪をしのいでいたのかもしれない。
それで懲りたのかと思えばそうでもなく、しばらくするとまた雪の中へ出かけて行った。前回と同じように少し経ってから様子をうかがうと、またもやみゆちゃんの姿が見えないので、窓を開けて呼んでみたら、今度は、抑えた声でにゃにゃ、にゃにゃ、という返事だけが返ってきた。見ると庭の木にメジロが来ていて、私のみゆちゃんを呼ぶ声に驚いて飛んでしまい、同時にみゆちゃんが物陰から飛び出してきた。みゆちゃんの抑えた声の返事はきっと、「メジロが来てるの、静かにしてよ、もう!」ということだったのだろうと思う。
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