経費削減の敵

2008年2月19日(火) 2008-02-19T23:07:09+09:00 374 / 0

早速我が家の猫の話題ではなく職場の話題になるのはお察し下さい。
家に帰る頃にはすっかり猫お休みモードな就業時間が憎い。


さて。


動物病院はお金がかかる、と思っている人も多いと思います。

動物病院とはお金のかかるものです。
国による保険がないので、かかった費用は患者さん持ち。
診療で使う消耗品達、手術で使う消耗品達、それはもうあげればきりがないぐらいいっぱいあります。なので出来るだけきりつめられるところはきりつめて頑張っています。


さて、

検査の中には細胞診という欠かせない検査があります。
疑わしい腫瘍に向かって針を刺し、中の細胞をスライドガラスに採って検査するというものなのですが。
体表に近く、「あ、ここにある！」とわかるものならそのまま刺す事が出来ますが。体の中にある臓器になるとそのまま刺すわけにはいきません。
そこで使われるのが超音波検査機（エコー）。
エコーのブローブと呼ばれる端末を当てながら臓器を特定し、目的の部分を刺すという動作です。
直ぐに分かり、片手でキープしながら刺す事が出来る場所なら良いのですが、
たまに・・・けっこう・・・・・・しょっちゅうあるのが、難しい場所にある組織。
刺す場所を間違えて下手したら大惨事！なんてことになりかねない場所は、ブローブを固定する器具を取り付け、そこに針をセットして穿刺します。


が、しかし。

ここで問題になるのは固定する器具。
私達は通称「穿刺ガイド」と読んでいるのですが、私のいる病院で使われている穿刺ガイドは金属製で、１回使うごとに滅菌しなければなりません。
この滅菌というのも厄介なもので、１回の滅菌に６時間とか１７時間とかかかってしまう。毎日５、６件行われている手術器具も滅菌しなければいけないので、それだけ滅菌するなんて事もできず。


私の仕事はそういう物品管理も含まれているので、今は何とかなっているけれど、１日に２回穿刺ガイドを使うなんて時を想定すると非常に怖いものがあるのです。

そこで病理検査医師と科長に訴えてみました。
すると返ってきたのは「ディスポのガイドがあったはずだから業者にいくらか聞いて注文してみるといいよ」なる答え。

ディスポ＝disposable＝使い捨て

・・・・・という事はガイド原価が細胞診代として加算されるって事か。
なる不安がよぎったまま業者から帰ってきた返答は。

「１個２０００円で、１箱２５個入りで５００００円になります」


たけーよばかやろう。


それなら使い捨てじゃないものを１個購入して、２つ使いまわして滅菌かければいいんじゃないか、と今度はカタログと見積書を出してもらう事に。

そしてやってきた見積書は。



３０００００円




桁を間違えてると思います。