こましゃん四十九日・・・想い巡り②

FIVキャリア、FIP発症、ブドウ膜炎、緑内障予備軍を背負い弱っていたこましゃん。

寝顔が辛そうになっていきました。

今見返すと、ウチに来た頃の寝顔があんまり無邪気で
その移り変わりが忍びなく、当時より一層胸が締め付けられます。

具合が悪くなる前のこましゃん

辛そうに寝てても、私が触るとん～～～～～～～と伸びをして
お腹見せてくれるこましゃん。
薬などの嫌な事が日に何度もあるけど、夜とか少し元気が出てくると
ウロウロしたり一緒に追いかけっこしたりして遊びました。
でも抱っこや膝乗りは苦手。
こちらがピトっと横につくとちょっと離れたところに移動。
だけど部屋に一人にされてるのは寂しくて呼びに来る。
人間ぽく思考が揺れるこましゃんが好きでした😊

そんなこましゃんに幼い自分が重なり、
今の自分と母がソックリな事にゾッとします。
ウチの母は思い込んだらひた走る性格でずばぬけて不器用。
体にいいもの沢山食べなさい！サプリ飲んで！具合悪いなら薬薬！！
ちょっと風邪ひいたら医者行って安静にしてなきゃ！
うまくいかないと泣いたり怒ったり平謝りしたり・・・
そんな過保護さ極端さに幼い私は困惑していました。
でも好きの選択肢しかなかった。
だから戸惑いながらも頼ってくれるこましゃんの健気さに
感謝と愛しさと自分の不甲斐なさでいっぱいなんです。

2月半ば、目の症状の悪化が止まらないので
アトピカを服用し副作用に悩まされます。
遊ぶこともできずキャットタワーにも上らず
ベッドかキッチンのマットに丸まってしんどそうに眠リ続けるこましゃん。
アトピカカプセルは人間の大人でも飲みずらそうなサイズで、
飲み込みに何度も失敗し辛い思いをさせました。
下痢が止まらずトイレに通いました。
鼻づまりやクシャミで鼻血も出て呼吸すらしんどそう。
日に日に痩せていく中で強制給餌まで始まり嫌なことづくめ。
それでもご飯を促せば少量を必死に食べました。
お皿の前で食べるか考えている時は背中を撫でてあげると
頑張って口を付けました。
食べる気になれなくても、一粒一粒口に運べば
やはり頑張って食べました。
寝ていて夢を見るチック症状(本当のチックだったのかもしれませんが)
から覚めると、突然ご飯をムシャムシャ食べる事もよくありました。
まさに一生懸命。こましゃんの底力でした。
だけどこましゃんが泣きべそ状態で弱っていく姿に耐えられず
3週間でアトピカを中止しました。

アトピカ・・・・効いてたと思う。
最期までお世話になったセカンドの先生はアトピカのFIPへの効果について訝し気で
「まだ発症してないのでは？」と見立てていましたが、
私は当時の先生が言う通りこの薬で寿命が少し伸びたんだと思っています。
でも副作用がキツかった。こましゃんとお薬の歯車がうまくかみ合わなかった。
先生とのコミュニケーションもうまくいかずどうしようもなかったけど
悔しいなぁ・・・・。

その後のこましゃんの回復力、凄かったなぁ。
もちろんアトピカの効能で身体が楽になったのもあります。
腸内環境の乱れがしばらく続きましたが、
食事量が一時期だいぶ回復しました。
身体をノビ～～～～～～っとして寝るようになり、
遊ぶようになり、
ホントに元気になれる可能性もある？！と思いました。

そして3月半ば。
運命のお医者さん探しをし始めます。
・・・・・こましゃんの為でしたが、結局私の為でした。
お薬が度々変わり、またもやこましゃんは戸惑っていましたが、
良くも悪くも薬の興奮作用ではしゃいで遊ぶまでになりました。
薬が効く最中のこましゃんは苦しそうでした。
けど薬がなじんでくると
フンフン息を上げながらダッシュして楽しそうに遊びました。
ベッドの上がこましゃんのグラウンド。
ねこじゃらしをグルグル追いかけて遊びました。
距離の無い廊下片道分を猫じゃらしを追っかけて走るのもよくやりました。
せめてこの頃からでもやり直せたら
もう少し違う最期を迎えさせてやれたのかもしれない。
そもそもこましゃんは本当にFIPになる星の元に生まれたのだろうか？
どこで道を間違えた？と
未だにグルグルしてしまいます。

3月末、前の病院より近く親切で相談しやすいお医者さんをセカンドとして
こましゃんを最期まで診て頂くことにしました。
ここでこましゃんの体調がまた崩れていきます。
おそらくアトピカの効能が切れFIPが活気づいてきたのだと・・・。
辛そうな表情の割合が大分多くなり、ほとんど曇り顔になりました。
何かを訴えるような愁いの表情。
その頃の通院の頻度が2～3日に1回だったので相当憂鬱だったと思います。
病院では鳴く事も暴れまわることもありませんが、
緊張で手汗ダラダラ。
元々早めの息が尚更早くなり１時間以上キープしてるワケで
体調悪くなるのも当然な程キツかったハズです。
でも暴れる事無く切ない位おりこうさんなのでした。

こましゃんはキャリーバッグをあまり嫌がらなくなりました。
初めて我が家に来た時ケージが自分を守ってくれると引きこもったように、
キャリーバッグの中では何もされないと理解したようで
家に帰ってキャリーから出すと少しして自らキャリーに入りもしました。
広い場所で私に抱っこされ薬や給餌に連れて行かれるより狭い所の方が安全と思ったのかもしれません。
この辺りからストレスが身を滅ぼし始め、イヤイヤ度が増していきます。

自分ばかりを見ている私は、
我慢強くて控えめに抵抗するこましゃんの切実な気持ちを見過ごしてしまいました。

こましゃんは自分を保つために色々と試していました。
・手の平を過剰グルーミング
・気持ち悪い時は猫草を咥える
・鉱物の砂を舐める
・窓の隙間から入る土埃を舐める
・フローリングの隅を舐める
・珪藻土を舐める
・好きだった焼きカツオの匂いが気になり食べずに砂掛け行為
・体調が悪くなり始めて行かなくなっていた少し高い場所へタタタッと上る
・ベッドの猫じゃらしに向かって床からワントライジャンプ
(持久力がなくなってしまいこれをよくご所望でした)
・ベッドやソファの上からこましゃんを覗くと顔に突進してきて寸止め

舐める行為はご飯や強制給餌のあとにしょっちゅう。
床や土や砂や猫草の何の成分を欲してたのだろうと未だに気になります。
高い所に行きたがったりジャンプメインのアクティブな行動をとり始めたのは、
近いうちに体の自由が利かなくなる事を察知して
遊び納めしてるようでした。

4月も終わる頃、目にわかる痙攣がでるようになったこましゃん。
猫ベッドの中でしんどい表情で丸まって過ごしたり香箱座りしてて
「広い所で足伸ばして寝れば？」とベッドの方へ移すと
即猫ベッドに戻ります。
伸び～～～っと寝る姿が見られくなって悲しかった。
唯一夫のブラッシングは気持ち良さそうでした。
こましゃんは夫の事が苦手だっただけにその光景は嬉しかったけど
ちょっとジェラシ～😘
ごはんは自力では殆ど食べられなくなってましたが
それでもちょっとした時間に一緒にウロウロをご所望でした。
洗面所の珪藻土トレーが舐めたくて乗せて乗せてとせがまれました。
こましゃんの要望を数分程度かなえてやると
痙攣しやすい身体でコーフンし続けるのはよくないとすぐ猫ベッドに連れ戻していましたが、
思う存分付き合ったらよかったなぁ・・・
粗相をする頃にはジェットコースターのごとく体調が悪化しました。
段々と目が吊り上がり
ホントに一日一分一秒が必死の表情でした。

動けなくなる寸前の頃、
薬や強制給餌を始めるとこましゃんの意識が飛ぶようになり、
自分のしている事が恐ろしかった。

こましゃんが亡くなって
猫友さんにペットセラピーの事を教えてもらい
セラピーさんに一度私のした仕打ちについて話を聞いてもらいました。
「猫は本当に辛い時肉体から魂が離れる事が出来る。だから自己コントロールしてたのだろう」
との答えに良かったのか悪かったのか複雑な気持ちになりました。

全く動けなくなってしまってからは目が閉じなくて
彼に意識があったか無かったかはわからないけど、
痙攣の一環で手をギュウウとして布団や私の手を握るのが
まるで人間の子が助けを求めているようでした。
未だにあの時もし意識があって
でも目も耳も機能していなく数日痙攣に耐えていたのだとしたら・・・
と想像しては苦しすぎて思考停止します。

最期の日、数日ぶりに写真を撮りました。
辛すぎる顔はもう撮らないと決めたのに撮る気になりました。
９か月の子とは思えない表情でした。

亡くなった後の寝顔も撮りました。
当時は安らかな寝顔だと思ったのですが、
改めて見るとまるで凛々しい老猫が疲れに疲れ果てた顔です。
あんなあどけなかった子が
こんな苦難に遭い受け入れざるおえず覚悟し耐えて
短期間に年老いた顔付きになるなんて・・・

こましゃんが私の歳を軽く追い越すくらいは一緒に居られると思って迎えたのに
彼と長い年月を過ごすパートナーになれなかったことが無念でなりません。
たくさんの事をこましゃんから学ばせてもらったけど
それを教わる為に彼を呼び寄せてしまったんだとしたらそれも辛い。

こんな私の元へ来る運命を受け入れてくれたこましゃん。
身体しんどくて心細くても、人間に振り回され後ろを見る事があっても、
やっぱり前を見なければと考え歩み寄ろうとする優しさ。
歳も種別も超えて心から尊敬の念を抱きます。

やっぱりこましゃんにまた逢いたい。
いつか逢える・・・
何等かの形で逢えるハズ。
だから今は逢えなくてもこましゃんの幸せを願おう
そう思うものの
突然苦しくなります。
たとえ再び弱った姿で現れたとしても一緒に居たい。こましゃんのお世話したい。
こましゃんの姿で会いたい。

残念ながらこましゃんの気配を感じる事が出来ない私。
写真、繰り返し見ています。
もうこましゃんの写真が増える事は無い。

夢でいいから逢いたいな・・・・🌟
なんだか失恋中のような心境です。