それは、その子たちが赤い糸で結ばれた人と巡り会うためには絶対に必要な冒険だったのです。
それを望んだ訳ではないけど、その子たちは突然お母さんネコから離され知らないお外に出されました。
2匹…と言っても、それぞれが全くの別の場所で全く違う時に。
1匹はよちよち歩きの黒ネコの女の子。
梅雨入り前日のことでした。
草むらにぽつんと…
大きな声でお母さんを呼んでも呼んでも、お母さんは来てくれません。
外は暗くなって、お腹も空きました。
「寂しいよ!恐いよ!お腹空いたよ…
お母さん!!!」
その悲痛な叫びは、近くを通りかかった中学生の男の子を呼び止めました。
その男の子は自転車の前かごに黒ネコちゃんを乗せ、おうちに連れ帰りました。
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それがわが家。
2匹目は、グレーの男の子。
なぜかは分からないけど、お外に出されてお腹を空かせて彷徨っていました。
「お腹空いたな…
ぼく、ひとりぼっち…どうしよう?」
そこへ通りかかったのが、ご近所でお外飼いされている黒ネコのピッピくん。
「あれ?知らない子だね!どうしたの?お母さ
んは?お腹空いてるの?
じゃあ、ぼくに付いておいでよ!」
黒ネコのピッピくんに連れて行かれた場所…
それがわが家。
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(ピッピくんがわが家へ連れて来た子、通算10匹目…笑)
こうして2匹の子ネコは、運命の人と出逢うため一歩進んだのです。
黒ネコちゃんには「破天荒」という言葉がピッタリな元気な女の子。
猫界のお鼻やお尻をくんくん、なんてルールは彼女には関係ありません。
わが家のニャンコが挨拶に近付けば先制のねこパンチ!からの、本気噛み!
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現在はしっかりと教育されました、うちの子たちに…笑笑笑
グレーくんは、呼吸の仕方が気になり医師の診察と検査の結果「横隔膜ヘルニア」でした。
やせ細り、骨と皮だけの子。
保護した当日は一人ぼっちでケージに入れておくのが怖くて、一晩中抱いていました。
ずっとずっと、ゴロゴロ言いながらフミフミを続ける子…
翌朝の診察で病気と分かり、この子はうちの子にするしかないかもな、と半ば諦めの境地で覚悟を決めていました。
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グレーくんが来たのは、黒ネコちゃんがうちへ来て2週間後のことでした。
とは言え、ひとまずは里親募集をしてみよう!そこで縁がなければ、それはうちと赤い糸で結ばれているということなんだ!
と思いネコジで募集をかけました。
先に里親募集をかけていた黒ネコちゃんに応募があり、その方とお話をしつつ黒ネコちゃんとグレーくんが遊んでいる動画を送ったところ、その方からグレーくんも一緒に迎えたいと申し出てくださりました。
もちろん、グレーくんの病気のこと、いずれ手術が必要になるかもしれないこと、を承知の上でのお申し出でした。
そして本日、2匹はその方の元へ旅立ちます。
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恐らく2匹とも飼い猫が生んだ子で、遺棄されたのだと思います。人を全く恐れなかったので。
その2匹は、寂しい思い、恐い思いをしました。しかしそれは、赤い糸で結ばれた人に巡り会う為には通らなければならない道だったのだと思います。
2匹の冒険は今日で終わります。
わが家を巣立つ、くりーむちゃん、ころんくん…
おめでとう!
でも、淋しいよ…
5人の人間と4匹のにゃんこのことは忘れていいよ。
でもね、たくさんたくさん愛されていたことだけは憶えていて欲しいな…
あなたたちの幸せを心から祈っています…
愛してるよ…
この、とてつもなく長い日記を読んで下さった方、ありがとうございます。
そして、この度のころんくんの病気を知った上でも手を挙げて下さった方々の慈しみの心に感動すると共に感謝の気持ちを残しておきたいと日記にさせて頂きました。
本当に、ありがとうございました。
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