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なんだかバタバタと動いてたお姉ちゃんふたりが“とのちゃん・・・いい子にしてるんだよ~”と言って大きな鞄を持って出かけて行った。
お家は途端に静かになった。
そして、その夜におかあさんとお兄ちゃんが用事で出掛けた。
僕はひとりになった!
いつもだったら、どの部屋にも灯りがついてにぎやかな話し声やテレビの音が聞こえてる。なのに、今夜はなんの音もしない。
灯りも一部屋にしか点いていない。
僕は出掛ける前にお兄ちゃんがくれたご飯をひとりで食べた。
うんこもひとりでしたけど、誰も片付けてくれない。
僕は羽のおもちゃをくわえてお姉ちゃんの部屋に行ったけど
真っ暗だった。
僕は小さな声でにゃおんと鳴いてみた。
外の車の音が大きく聞こえた。
静かな部屋でず~と待っていた。
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しかたがないからお姉ちゃんのいないベッドの端で
お姉ちゃんがいる時と同じ場所で丸くなって寝た。
遅い時間におかあさんとお兄ちゃんが帰ってきた。
おかあさんは自分のお布団に僕を抱っこして連れててくれた。
僕はそのまま、おかあさんのお布団の上で寝たよ。
朝、僕はいつものようにおかあさんのお布団を出てお姉ちゃんの部屋を覗きに行った。
やっぱりお姉ちゃんはいなかった。
僕はどうしてかわからなくて、お姉ちゃんの部屋の前でじ~としてたらおかあさんに抱き上げられてキュッとされた。
その日もお姉ちゃん達は帰ってこなかった。
僕はおかあさんのお布団で寝た。
次の日だった。
おかあさんがメールを見て笑っていた。
お姉ちゃんからだ!
帰る飛行機に乗る前に疲れきったお姉ちゃんの写真と共に書かれたのはお姉ちゃんの妄想だった。
“私がいない為にとのがパニックをおこし、私の布団の残り香を嗅いで寂しさの為にガタガタ震えている”って・・・
馬鹿じゃないの?僕はお姉ちゃんがいなくっても平気さ!
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そうしてお土産をいっぱい持って(僕にもお土産があったよ)
お姉ちゃん達は帰ってきた。
はあ~~! またにぎやかになったよ!
僕に逢った途端に
"との~~~~“と呼んで抱き上げられスリスリされた。
やめてよ!!お姉ちゃん!恥ずかしいな~!
やんなっちゃうよ!
でも僕はそれから何日かはおかあさんの所にはいかないで
ず~とお姉ちゃんと寝た。
だって、お姉ちゃんが寂しいと思ってさ!
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