前回の続き……を書く前に。
前の日記を見た保護主さんから、保護当時の詳細な状況を教えてくれるメッセージを頂けていました。
色々と当時の状況を想像できる内容で、この子の家族になれて良かったなぁ……と思えました。
一番ショッキングだった部分としては、発見当初は死んでいると思われていたらしく、たまたま袋に入れられて渡された廃棄場のスタッフさんがネコ好きの方で、本当にたまたま袋の中の温かさに気付いてまだ生きているのだと判明した、というくだりでした。発見されてすぐに廃棄場に持っていかれ(この時点では連れてでなく、本当に持っていく、と表現すべきだったのでしょう)なければ? 後でいいやと後回しにされていたり、受け取った人がネコ好きの方でなく、死体とか関わりたくないとか思ってすぐに処理しようとする方だったりしたら? 入れられていた袋が、もっと分厚くて中の温かみを外へと伝えないものだったら?
いくつものもしもをくぐり抜けて、この子は生き抜いたんだな……と、本当にしみじみと感じました。
ここからは前回の続きです。……とは言っても、毎日のようにトライアルの様子は日記に書いていたので、どちらかと言えば心情的な部分の補足的な意味合いが強くなっていく気がしますが。
言うまでもなく、物凄く長いです!
あんちゃんをお預かりして、取り敢えず海君と顔合わせをして、ある意味予想通りとして海くんからの威嚇を受けたりはしつつ。
保護主さんからは、あんちゃんの事は「人の足音を聞いただけですぐに隠れてしまうビビりの傾向がある」とか「おとなしい子」とか、そういう情報を窺っていたし、最初に受けた印象としてもどちらかといえばそう感じるものでした。
キャリーからケージに移そうとした時にも、ピューと逃げさせてしまったり、ケージに入れてあげてもすぐに隠れ家に入り込んで出てこなかったり。
ご飯もお水もトイレも最初は手つかずで(新しい場所に来た猫ちゃんとしては当たり前の事ではあるはずなのだけれども)、心配をしていただけに最初にちゅーるを食べてくれた時はとても嬉しかったのを思い出します。
その後もご飯お水トイレと、どんどんとしっかりこなしてくれて、ひとつひとつによかったよかったと胸をなで下ろしていきました。
心配していた海くん側の状況も、直接に顔を合わせなければいつも通りの様子だったので、あんちゃんは落ち着けるようにほぼ放置、海くんの方はいつも通りか、いつも以上に構ってあげるくらいで。進歩としてはゆっくりめの、だけれども悪くはない走り出しだったと思います。新しい子を見た時点で先住が体調を崩すなり、あんちゃんがどうしても調子を取り戻さないようであれば早めの段階でお返ししてあげよう、とも思っていました。相性がどうしても悪く、戻る所もあるのであればその方が良いだろうと判断していた為。嬉しい事に、今にして思えば完全に杞憂でしたが。
最初にあんちゃんに抱いていた印象が大きく変わり始めたのは、4日目くらいからだったと思います。
エアコンの冷気を送り込む関係で、どうしてもしっかりと隔離しきるところまでは行っておらず、あんちゃんの存在を完全に認識した海くんが仕切りを突破してちょくちょく覗きに行っては、シャーシャーフー!と威嚇をしてしまっていて、事前情報からの大人しい気弱なはずのあんちゃんが怯えてしまうのでは、と心配していたのですが……。
威嚇する海くんへの対応が、「威嚇に対して威嚇仕返す」「威嚇されても気にした様子なくご飯やお水をとりはじめる」「ケージ内に入ってきた手を撃退する」
「んんんんんんんん????」
ってなりましたよね。
様子を少し見守っていると、むしろあんちゃんよりも海くんの方が気圧されている様子が見ることが出来て、これは……あんちゃんは弱い子じゃないな、と。そんな風にわかってきました。
この様子を見ていなければ、直接に会わせてみるのも(何かあったら自分の流血覚悟で止めるつもりがあったにしても)もっと後に回していたとは思います。
結果的には直接面会させてみるのは効果をしっかりと発揮してくれて、5日目という恐らくはかなり早い段階で海くん側の受け入れ体勢が凄い勢いで整っていってくれました。
6日目からはもう基本ケージから解放して、最初の2、3日こそ隠れて殆ど出てこない(とは言っても、ご飯どきにはしっかりと食べに出てくるのですが!)ものの、猫同士のじゃれ合いも頻度と勢いを少しずつ落としていき、格付けの為の喧嘩の色が強い物から、本当にじゃれあいの色味が強くなって行くのが手に取るようにわかって、毎日が喜びの連続でした。
この頃にはもう、最初に聞いていた情報から受け取っていた「か弱くて大人しい、小心者の子」という印象が、「慎重で胆力のあるタフな子」という印象にすげ変わり始めていました。
実際、物音(足音)が聞こえると隠れるという習性は今も昔も(保護主さんの家の頃でも)変わっていないのですが、これはもう恐らく野良の時代に身についたものなのだろうな、と予想しています。物音がしたら隠れないと危険だという慎重さの発露なのだと思うので、これが足音がしてもお腹出して眠り続けるようになってくれるくらい、安心させてあげられれば嬉しいですね!
後はもう日記に書き続けていた通り、どんどんどんどん仲良くなって、私への警戒も解いてくれて……。数日前にはこんな様子も見せてくれるくらいになりました。
https://www.youtube.com/embed/5qdPW7F0na4
私がベッドに横になると、どちらともなく私の上やらに乗ってきて揃って寝たり追いかけっこが始まったり、朝起きて横を見ると2匹重なって寝ていたり。
椅子に座っているとよじ登ってきたり、後方にあるベッドから背中にジャンプしてきたり、おてんばな姿も色々と見られるようになってきました。海くんとのじゃれ合いも、自分から仕掛ける頻度も結構高めです。
ふとどこにいるのかと見回すと、2匹寄り添って眠っていたりする姿もよく見られる様になりました。
この子がうちに来てくれてよかった、ちゃんと家族になれてよかった、と幸福をかみしめる日々です。
多頭飼いを最初に考えた時には、結局海くんのストレスにしかならなかったらどうしようか、新しい子も我が家にちゃんと馴染んでくれるだろうかと、心配や不安も大きかったですが、結果的には本当に迎えて良かったと思います。何だかんだで、海くんの何処か寂しそうだった様子がかなり消えたのは、やはりそういうことだったのでしょう。
間違いなく言えるのは、多頭飼いを少しでも考えていて兄弟で引き取りが出来るのであれば、本当にそうしておいた方が良いなってことですね! 後から新しい別の子を貰おうとすると、出だしが不安だし我が家は問題なかったけれど相性でダメ、って事も多いと聞きますし!
最初だからこそ、1匹で……と考えるよりも兄弟でと考えた方が本当に良いと思いますですよ。(ダイマ)
取り敢えずこんな所で。いつか見返して、こんなことがあったあったと思えるように、という備忘録でした。
長い長い!
それにしても……本当に美人に育ってるなぁあんちゃんは!(おやばか)
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