猫の視点から描かれた、野良猫そして地域猫のお話。

主人公はある事情で、飼い猫だったのが野良猫として生きていかなければならなくなった子猫「七生(ななお)」と、その相棒で生粋の野良猫、「マチ」。
地域猫たちの視点から見た人間たち。
ある日突然、仲間が「終わってしまう」死と隣り合わせの生活。
人間の事情で増えたり減ったりする「食卓(餌場)」の問題。
理不尽な理由で、突然彼らに襲いかかってくる猫虐待者。
無責任に食事を与えてくる人間。
そして、七生が出会う猫嫌いの女性、「淑乃」との因縁と運命の出会い。

大変精緻で綺麗な絵で、猫の仕草は可愛らしく、時には迫力あるタッチで描かれ、作者さんは猫の生態をよくわかって描いてらっしゃるなと感じました。
そして、とても猫が好きな人が描いたんだろうなという印象を受けました。
続きもので、まだ一巻なんですが、この時点ではどちらかというと、切なく悲しい雰囲気のお話。
七生がなぜ野良猫として生きることになったかのエピソードが後半の方にありますが、飼い主に大変愛されていた彼が、あまりにも不幸な偶然で飼い猫から野良猫になってしまった理由を知るとあまりにも悲しくて……。
まだ、先がある話なので今後の展開がとても気になりますが、とても良い本だと思いました。
久しぶりにとても素敵な本に出会えました。
ちょっと辛い描写もありますが、地域猫や野良猫の現実を描いた漫画はあまり見ないので、興味のある方は一度手にとってみてはどうでしょうか?
こちらで、一部試し読みができますよ。(私も試し読みで気に入ったので買いました)
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM17200218010000_68/
(ここから追記)
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冒頭がちょっと悲しい始まり方なので、そこだけで辛いという方はその先もちょっと厳しいかもしれません。
虐待の描写や、少し痛々しいシーンもほんの少しだけあります。
そういうのが苦手な方には敢えてお勧めはしません。
ただ、野良猫の現実という意味ではそれは避けて通れないシーンなのだと思います。
内容的にはとてもいい話だと思うのですが、最初の展開がなかなか壮絶なので、お話に感情移入をしやすいタイプの方は読んでてちょっと一部辛いシーンがあるかもしれません。
ネタバレが平気なら、本日公開されている7話の2を読まれると、主人公の七生に救いがあることが確認できます。
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