地域猫や保護猫が暮らすのは、交通量の激しい地域です。
この道路は危ないから決して渡らないで、と猫たちに話しかけていました。
しかし、その心配が、現実になったのです。
偶然、事故の一部始終に遭遇したのは、見守り隊のひとりでした。
地域猫が道路に飛び出したことに気づいた運転手さんは、すぐさま、急ブレーキを踏みこみました。
すると次の瞬間、いままで聞いたことのない衝撃音が響いたのです。
見守り隊は、心臓が止まりそうになりました。
すぐに地域猫を救出しようにも、体が凍りついたようで、思うように動きません。
一緒に暮しているきょうだい猫も、その事故を目撃していたのか、事故現場の近くで、前足をしきりになめています。
すると間もなくして、車の下から、地域猫が出て、さっと草むらに逃げ込みました。
ホッと安堵したのもつかの間、事故の衝撃音が気になります。
ぶつかってケガをしているんじゃないか。大きなケガをしてなければいいけれど。
祈るような気持ちで、逃げ込んだ草むらを探しました。
ですが、人手を増やし、見守り隊が手分けをして探しても、地域猫は見つかりません。
この日は、台風の真っただ中。
夜になると、風が吹き荒れ、雨が激しく打ちつけてきました。
台風のなか、あの地域猫は、どうしているだろうか。大丈夫だろうか。どうか無事でいて。お願い。
私たちは、眠れない夜を過ごしました。
ぺったん したユーザ
ぺったん
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