ものがあってそれは食事の時もそうでした。
ネコ餌を二人に出すとだいたい決まってシマが先に食べ終わります。
するとタロのところにスタスタと歩いて行って「ちょーだい!!」をして
なかば強引にタロの餌を食べてしまいます。(タロの足りない分は後で
こっそりシマにばれないようやっていました。)
とはいえその光景は決して嫌味なモノではなく二人にとって
ごく自然なように僕には映りました。
そしてガンになったタロをウチに連れ帰ってからしばらくはそのいつもの食事の光景は見られなくなりました。
タロが餌を全く食べないのです。
膵臓に出来たガンによる消化器への負担と開腹手術時の
体力消耗がそうさせていたのは明らかでした。
僕達はありとあらゆるドライフード、缶詰を探し集めてタロに与えましたが
結果は同じです。
シマもいつも隣でゴハンを食べていて「自分の分がなくなったらちょっと
いただいちゃおう!」と思っていたタロがいないので不思議そうな顔を
していました。
タロは5キロ弱あった体重が手術後急激に3.6キロまで
落ち込んでしまいました。
先生に診てもらうにも見放されてしまってるし・・・。僕達は悩みました。
そうこうしているうちにタロはいつも座っている僕達の近くに置いてある
クッションにも座らなくなりました。
何故か「影」にじっとしている事が多くなったのです。
玄関の隅っこ、家具の裏側、パソコンラックの下等
とにかく人目のつかない所に。
死に行くネコは飼い主の見えない所で最後を遂げると聞いた事があり、
僕達はいよいよダメなのか・・・、と思いました。
ちょうどその頃僕はまた「変なモノ」を見始めました。
そうです、白いネコです。タロが動くのは水を飲む時とトイレに行く時です。
その時にスーッとその白い影がタロの後を追いかけて行きます。
僕は彼女にその事を話しました。
二人で話し合った結果それはタロの母親なんじゃないかという結論に
達しました。
そんな馬鹿なと思う人が大半でしょうが僕達にはそうとしか
思えなかったのです。
果たしてその母親はタロを迎えに来たのか、
もしくは勇気付けに来たのか?
とにかくその白いネコにお願いしてみよう、ということになり
僕は彼女に白いネコの姿を話して彼女にイラストにおこしてもらいました。
(写真のイラストがそうです。今では褪せてしまっていますが・・・。)
そしてそのイラストに毎日お水をお供えして「タロが助かりますように・・。」
とお願いをしていました。
シマは何故か僕達のその姿をジーッと見続けていました。
シマにもタロの状態が理解出来たのでしょうか?
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とにかくすがるものが出来たせいか
少し元気が出てきた僕達はあきらめずに
前に進もう!!と決心しました。
日本は広い!きっと治せる先生がいる!!!
そう考えてインターネットや書籍を読み漁り始めました。
そうしてしばらくたって彼女が一冊の本を見つけてきました。
「ペットがガンになってしまったら」という本でした。
その内容を見た時正直僕は全く信用出来ませんでした。
(つづく)
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