私がまだ、外猫たちを捕獲器で捕まえて手術する前、まだ捕獲器と言うものがあると知らなかった昔の話。
当時、私は庭に来る猫は捕まえられるので、キャリーに入れ捕まえて、避妊や去勢をしていました。
親子でやって来れば親子を。
あちこちで喧嘩してるオスには去勢や治療を。
本当に知識もなく、ただ今と同じで出来ることをしていました。
そんなある日、庭にときどきやってくるメス猫が触れずどうしても捕まらず・・・。
困り果てた私は友人の知っている人で捕獲器を持っている個人ボランティアさんに捕獲器をお借りすることになりました。
個人で行き倒れている猫を保護されたり、行き先のない猫を飼育したりと、自宅には沢山の猫がいました。
私はお借りするにあたり、当たり前ですがお礼のフードを差し入れしました。
友人にも同行してもらい、借りに行きました。
インターホンを押すと、中から個人ボランティアさんが出てきました。
中の様子は見えませんでしたが、捕獲器をお借りし、帰りました。
おかげさまで捕まえたいメス猫は捕まえることができ、避妊手術もできました。
そんな捕獲器をお借りし、またお返しするというやり取りは、数年続きました。
数年経ち、なんとなく段々と個人ボランティアさんの様子が変わっていきました。
最初は活き活きとされていた個人ボランティアさんでしたが、だんだん猫の糞尿の臭いといいますか、どことなく臭うようになってきました。
そして、家の中にいた猫がたまたま出てきたのですが、痩せていて、毛艶もよくない猫でした。
私は、個人ボランティアさんのことを猫のために活動し、間違ったことはしない人と尊敬をしていたので、うちの猫より痩せた猫を見て、ショックでした。
私は捕獲器をお借りするたびに、五千円ぐらいのお礼のフードを差し入れていました。それは、最初はすごく喜んで下さり、私も役に立てた!と喜んでもいました。
しかし、だんだんと個人ボランティアさんの態度もお礼を貰えるのは当たり前な感じになり、臭いも強くなっていきました。
私は猫たちの様子が気になるようになりました。
元気なのだろうか?食べているのだろうか?
そんな心配をするようになっていきました。
この個人ボランティアさんは気づいたときには仕事も辞めてしまいました。
フードは色んな方から支援して貰ったり、貯金を崩して買っているようでした。
そして、私は自分で捕獲器を購入することにしたので、最後にまた借りに行きました。
そのときはもう、私の目から見てもやれていないのでは?と思いました。
再三、猫たちの里親さんは探さないのですか?と言いましたが、ここにいる方が猫たちは幸せと、取り合ってもらえませんでした。
それから月日は流れ、どうやらその個人ボランティアさんが崩壊したようだと友人から聞きました。
幸い助けてくれた方がいたようで、猫たちは全頭その家から出ることができました。
しかし、飼育していた猫の中には治療もせず亡くなっていた子もいたようです。
私も多頭飼いなので、本当に人のことは言えません。
しかし、もっと早く自分が崩壊していると気づき、人に助けを求めていれば、犠牲になる猫もいなかったのではと思うのです。
ボランティアさんの活動ブログを拝見していても、頑張りすぎている方を見かけます。
このままやっていけるのだろうか?と思う方もいます。
私の中の基準は、医療費を滞納する、猫たちの治療ができなくなる、日常生活の世話に滞りが出てくる・・・これはもう、崩壊している、もしくは崩壊予備軍かもと考えています。
私が自称ボランティアと名乗る方や飼育放棄をされた猫を迎えるようになったのは、個人ボランティアさんのときに何も出来なかった自分がいたからかも知れません。
確かに飼い主なので所有権はこの方にありましたが、もっと猫たちのために自分にできることがあったのではないだろうか・・・・そう思いました。
自分が知らないだけで、色んなところに行き先がない猫たちがいる。
保護されたあと、きちんと飼育されているとは限らない。
自分のした支援は猫たちのためになったのだろうか?辛い時間を長くしたのではないか?
誰だって崩壊したくないでしょう。
私もしたくありません。
崩壊して困るのは自分ではありません。
助けたはずの猫たちが困るのです。
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写真は稲荷の母親まきちゃんです。
だいぶ痩せ痩せから丸みのある体になりました。
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