お見合い日和。

2018年10月27日(土)

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2017年10月の東京は曇りや雨が多かったが、お見合い当日の27日は暖かく、良い天気だった。

募集主の住居まで車で約1時間。手土産の購入、渋滞や道に迷う可能性を加味して2時間前に出発。
道中、猫と暮らすこれからを語り合うには、時間も天気もちょうど良いと思えた。

男の仔はヤンチャで好奇心旺盛、女の仔は勝気で威嚇しがち・トライアル失敗経験ありとの前情報。

猫と暮らした経験があり、野良猫にも威嚇されたことのない私は、全く心配していなかった。
が、猫と暮らした経験のない夫はどうだろう？威嚇されたら、また変な偏見が顔を出すのでは？

「最初はシャーシャー言われて当たり前だからね　犬みたいに最初から尻尾振って来てくれないよ」
と、布石を打っておく。そう、念のため。念のため。

目的地付近で有料道路の側道に入るのだが、それが見つけられず有料道路を計3往復する夫。
ハンドルを奪い取って15分、倍以上の2時間10分かけて到着。2時間前に出発して本当に良かった。

到着してすぐ、募集者さん・保護主さん、そして兄妹猫とお見合い。

最初にクレートから出されたのは、比較的温和な男の仔。首の後ろをちょいとつまんで抱っこ。
腕からすり抜けようと少々身をよじる。抱き上げられるのは苦手な仔が多いから仕方ない。

でも。

既にゴロゴログルグル言ってるんですけどー。
この仔なら夫を落とせるんじゃない？

募集者さんも「猫初めての旦那さんにはその仔抱っこさせて」と。さすが分かってらっしゃる。

次に威嚇癖があるという女の仔。クレートから出された途端、逃亡の準備。
「この仔は奥さんね、しっかり持ってね」と。確かに身のよじり方は男の仔より激しいけど。

でも。

フーもシャーも出ないんですけどー。
話かけるとちゃんとこっちを見るしね。

「な、なんかさ、この仔震えてるけど大丈夫？すっごい震えてるんだけど…」
そういって腰が引けてる夫に、慌てて近づく保護主さんと私。

変わらず喉を鳴らしているだけ。知らない人からすると、震えに感じるのだと初めて知った。
「それノド鳴らして甘えてるんですよー　もう旦那さんに懐いたんですね」と、保護主さん。

はい。今の一言で完全に落ちたね。もう、この仔たちの里親になる一択でしょ。
NOとは言わせないよ。だって、私は逢う前から落ちてるしね。

幸いにも募集者さん・保護主さんに、里親として認めていただけたので、事務的な手続き。
身分証提示・誓約書にサイン。

名前をどうするか問われ、保護主さんがつけてくれた名前のままにすると伝える。
1週間考えて出した答えは、保護から2か月間呼ばれていた名前が変わるのは可哀そうというもの。
そんな思いをさせるに見合うほど、元の名前より良いと思える名前が浮かばなかったのも事実。

それから。「まずはケージを用意してくださいね　脱走防止策もお願いしますね」

恥ずかしながらすでに準備万端な我が家。画像を見せながら、それを報告。
さらに、マンション販売時のパンフレットを取り出し、間取りと施した脱走防止策の説明。
続けて、…とにかく必要そうなものを提示しては説明するという、我ながら呆れるほどの用意周到さ。

だって、1日でも早く来てほしいじゃない。
本音を言えば、このまま連れて帰りたいじゃない。無理だけど。

ところが、いい意味で予想を裏切る台詞が募集者さんから発せられる。
「素晴らしいわね！これなら安心だから　今日連れていかれる？」

ぬをぉぉぉぉぉ！！！良いのぉぉぉ？ヨダレ出そうだよ！
脳内で変な声が出てしまう。

「一日も早いほうがいいでしょ？仔猫ちゃんは日ごとに大きくなっちゃうからね」
「もちろん　近々絶対にお宅に伺いますからね　それだけは絶対」
「でも　最初からこの方ならと思っていたのよ」

非常にありがたいお言葉と、非常にありがたい決断。
さすがにこれを持っていくのはダメだろうと、持参しなかったキャリーの代わりにクレートを借りる。

行くよー！君たちのずっとのお家へ。

はやる気持ちを抑え、普段以上に安全運転を心掛ける。
大丈夫、私は道に迷わないから。

さあ、ようこそ我が家へ。

◇

※心無い者が真似して万一にも詐欺に発展する可能性を考慮し、一部表現をぼかしてあります
　誰もが思いつくもの(ケージ等の画像)や簡単に真似できなそうなもの(マンションパンフ)のみ明記

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