長文になります。
生存した事例が非常に少ないですので、すがる思いでインターネット検索をした(当時の私のような…)飼い主さんに届いたらいいなと思い、猫専用なのは理解しておりますがこの場をお借りしてお話をさせていただきます。
我が家の犬、まろくんは、
ダックスフンドとマルチーズのハーフ。2010年9月に生まれ、11月に我が家へやって来ました。

活発で家の中を走り回り、先輩犬のご飯までよく食べ、イビキをかいて寝る可愛い子でした(^_^)
その日は突然やって来ました。
2014年8月、もうじき4歳になる夏の終わりに進行性脊髄軟化症を発症しました。掛かり付けの獣医さんに見てもらったところ、ヘルニアの診断を受けました。その病院では精密検査ができないので、設備の整った病院を紹介され夕方行くことにしました。
後ろ足が全く動かず、腰が抜けた状態の愛犬を目の当たりにし家族みんなわたわたわた(´Д`)
当の本人はおやつとご飯をむしゃむしゃ(*´∀`)
このときはまだ前足だけで体を引きずって移動できるくらい元気でした。
紹介された病院で診察やレントゲンや血液検査などを行い、脊髄がかなりダメージを受けており、手術して見てみないと詳しい状態はわからないが脊髄軟化症だと思うとのことでした。
すぐに手術を行いましたが、打つ手がありませんでした。脊髄の写真を見せてもらいましたが普通のヘルニアになった子の脊髄より、黒に近い紫色をしており素人から見てもダメージの大きさがわかりました。
【脊髄軟化症】と聞いてすぐにどんな病気か答えれる方は少ないかもしれません。私も愛犬がこうなるまでは一切知りませんでした。
先生の説明を私なりに簡単にまとめると、
【ヘルニアのひどいバージョンで、衝撃を受けた脊髄から前後に壊死していく。最後は呼吸器に影響がでて、呼吸ができなくなり1週間もたずに亡くなる。生きている事例はほぼない。治療法はない。】
とのことでした。
家族として一緒に過ごしてきた愛犬が、突然あと1週間ももたないなんて受け入れることができませんでした。必死にインターネットを検索しても亡くなる子の情報ばかり。
まだ若い犬ができることがなくただ死を待つだけだなんて言葉にできない辛さがありました。
発症後、日に日に状態は悪くなりました。
食事は食べれず、水をつけたガーゼで口元を拭くくらい。呼吸も乱れ、こんなに辛そうなら【安楽死】も選択肢に入れないといけないかなと頭を過ったこともありました。

うちの犬の具体的な症状は、
・肛門が開いてくる
・呼吸が弱くなる
・瞬膜(目の内側から外側に向かって伸びる膜です。)が広がってくる
・動かせない範囲が広がる
・声がでなくなる
などです。
発症して3日目、先生から今日明日が山場ですと言われました。奇跡を信じるしかありませんでした。
毎日、仕事の昼休憩に点滴後の犬に会いに行き、手につかない仕事をヤケクソで終わらせフレックスで帰り、夜は家族みんな犬の傍で様子をみました。寝ている間に息を引き取ってしまったら…と考えたら寝ることもできませんでした。

ただただ傍で見守ることしかできない日が4日、5日と続き、1週間が経とうとする頃、眼球の半分まで広がっていた瞬膜が1/3くらいまで縮まっていました。肛門も開きが収まったような…
可能性があるかも知れないと先生に言われました。
発症して10日後、奇跡的に命を取り留めました。
あれから4年が経ちました。
人生?犬生?の半分を半身不随の身体で生きたことになります。
体長の2/3辺りまで脊髄の壊死が進んでしまったため、現在は前足の力で体を起こすのが限界です。四輪の車椅子もありますが、動かない範囲が多いため前足で歩いて進むことはできません。
声も高音はでません。椿鬼奴さんが更に酒やけしたときの声みたいな、カスカスの声で鳴きます。
排泄も1日4回ほど介助(膀胱を圧迫して尿を絞り出します)が必要です。
水やご飯も目の前まで持っていかないと食べれません。
股におしっこかぶれができやすく、頻繁にお腹から股を洗って薬をつける必要があります。
胸骨と後ろ足の一部は床擦れになるため、服を着せたりクッションのきいたマットを用意するなどしなければいけません。
かまってほしいだけなのか、水がほしいのか、何がしてほしいかわからず、どうしても犬の言いなりになってしまい、分離不安気味です。
それでも、
ほとんどの犬が亡くなってしまうところ、命を繋ぎ今日まで元気に生きてくれてとても嬉しいです。
進行が早く、進行性脊髄軟化症だとわかる前に死んでしまうため、助かった例が何%くらいあるか先生もわからないそうです。もし、当時の私のようにすがる思いで検索をした方にとってこの日記が希望になれば幸いです。生き延びた犬もいます。諦めず、犬のそばにいてあげてください。
これからペットを迎える方、既に家族がいる方にも介護が必要になる日が遅かれ早かれくることを再度ご家族と話し合ってみてください。
もし、人間の方が事故や病気で突然ペットの面倒が見れなくなったら、代わりに家族として迎えてくれる方は身近にいますか?
健康なペットなら里親さんがすぐ見つかるかもしれませんが、年老いたペットやうちのような介護が必要なペットは難しいと思います。
ネコジルシのみなさんは、動物を愛して家族として接している方ばかりだと思います。『話し合ってみてください』なんて余計なお世話で申し訳ありません。
うちの子が生きていることが誰かの希望になれば、きっかけになれば、と思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

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