日にちこそ違うが、あの日は十一月の第三月曜の夜。
時間もちょうど今ぐらい。
……もう、2年も経っているのに……怖い。
フラッシュバックが起こる。
何かしていないと気が狂いそうに怖いので日記を書いている。
今、美雨は私のそばの床に横になって寝ているけれど、もしかして目が覚めないんじゃ?
そんな恐怖にかられる。
あ……目をあけた。
よかった。
突然死のトラウマはなかなか心から抜けていかない。
もう2年も経ったのに。あの恐怖が忘れられない。
ああ……もう、あの時のこの時刻は、あの子が私の膝から落ちた時間。
体の力が抜けて……ぐにゃりとした感触がまだ忘れられない。
もう、平気になったと思っていたのにな。
命日は明後日なのに。
同じ曜日の同じ時間。
どうして思い出してしまうんだろう。
嫌な記憶は忘れたいのに。
なんで忘れてしまえないのだろう。
元気だった子を突然亡くす恐怖。
何か文章でも書いていないと落ち着かない。
美雨の姿を見て安心する。
だけど。
私はいつまで、この記憶に苦しめられるのだろう……。
ペットロスは忘れた頃にやってくると聞いた。
2年経っても、いや、何年たってもきっと怖いのだろう。
十一月の第三月曜日。
あの時と同じ夜というだけの。
でも、恐ろしい日。
弱い心でごめんね。長吉。
私はまだ、ちゃんと立ち直っていなかったのかもしれないね……。
会いたいよ 長吉。
帰ってきてよ長吉。
なぜ、長吉はここにいないの……?
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