何かな、何かな~、まさか大相撲のカレンダーだったりして。(前回と書き出しほぼ同じ)
わくわくしながら封を開けると、お手紙とパソコンを見つめるココちゃんの写真と茶々。の仔猫のときの写真が表紙の上製本された冊子が入っていました。
お手紙には、まなが亡くなって気を落としている私に気分転換のきっかけになるようにと、私が今までネコジルシにUPした写真と日記の駄文を選んでくれて、サプライズで冊子を作ってくれたと書いてあります。

年に一度、よーはままさんのルナちゃんと実の姉妹のココちゃんの誕生日を祝う日記を書くだけなのに、こんなに、まなと私のこと、気にかけていただけるなんて、もう嬉しくて、嬉しくて。




実は、ちょうど冊子が届いた日に弟から珍しく電話がありました。
母の様子がおかしいから来てほしいと。
私は夫とふたり暮らし、母と弟と猫たちはすぐ近くの実家に住んでいます。
父は14年前に他界しています。
実家に着くと、母が悲しい表情で私を叱りつけました。
突然、母は30年ほど前にタイムスリップしています。
30年ほど前というと、日本がバブル景気から一気にバブルがはじけた時代です。
私の住む田舎の街ではバブルの恩恵はあまり感じませんでしたが、はじけた後の後遺症は確かにありました。
大きな商売をする人は土地神話が崩れ、担保にいれた土地の価格が下がり、銀行の貸し剥しなどで苦しみました。
絶えかねて自ら命を落とす人も少なくなかったと思います。
うちは小さなお店をしています。
こんな店にも皺寄せがあり、メーカーさんの経営方針が変わったとかで商売がやりづらくなりました。
掛け売りはせず、現金支払い。返品不可。
部品などはどこかの販売店を通さないと直接売ってもらえなくなりました。
「儲かるという字は信じる者と書くんだよ」が座右の銘であった真面目で正直な父は「正直ものはバカを見る」になってしまいました。
売り上げは激減し、父も夜勤の仕事をして繋ぎました。
母は近くの親戚からもうとまれ、悔しい思いをしました。
母はその一番苦しかった時代にいるのです。
私が説明しても一向に受けいれず、怒る母。
グループホームで仕事をする私はついに来たかという感じでした。
頭ではわかっていても自分の母となると戸惑うものです。
最近、同じことを何度も聞く母、会うたびに「明日、休み?」って聞く母。
面倒になって適当にかわしていました。
弟もうるさがっていました。
一時間半ほどして悪夢のような嵐は止んで、母も落ち着きました。
その後、一緒にくみころさんが作ってくれた本を見ました。
「あら、どんつぁん」
「志づを貰いに行ったときは、まなも一緒だったね」
「茶々。はさっちゃんの子だね」
「あら~、ヂュラ、みったぐない」
猫たちの名前も思い出も記憶に間違いありません。
笑顔さえあります。
あの嵐はなんだったのか。
一過性の老人性のうつなのか?
これから母の脳はどんどん崩れていくのか?
まだ私も戸惑っていて不安です。
でも一緒にこの本を見ながら母娘で笑ったこと。
母に気づかれないように涙を拭いたこと。
私は一生忘れません。
ありがとう、くみころさん。
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