猫と暮らし始めた6年前から覚悟はしていたものの、こんなにも苦しいこととは思っていなかった。
声を上げてこんなに泣いたことはあっただろうか…それくらいの嗚咽で泣き続けた。
まるが亡くなった日は娘の誕生日。
娘のリクエストでその日はハンバーグを作り、みんなで食べた。
次に食べ物が喉を通ったのは4日後だった。
食べることを忘れていた。
不思議なことに、お腹も鳴らなかった。
3日目にココアを飲んだが、すぐに嘔吐した。
水分さえ充分に摂ることを忘れていた私は膀胱炎になってしまったが、病院すら行く気力がない。
ドラッグストアにやっと行き、漢方薬を買って飲んだ。
薬を飲むために水を飲んだ。
これは吐くまいと我慢した。
1/12、3日間食べ物を摂っていなかったことに気付いた日、親友が弔いに来てくれた。
誰にも連絡する気力がないまま日にちが過ぎ、1/11夜、ようやく親友にLINEで連絡出来た。
彼女も兄弟猫を2匹飼っており、数年前には先代の猫とお別れしている。
私の気持ちを察してくれ、たぶん食べていないだろう、と、スポーツゼリーと春雨スープをたんまり買ってきてくれた。
買ってきてくれた中に、何故か【おはぎ】が6個もあった。
私は驚いた。
まるは、あんこが大好きだったのだ。
私が、自分の大好きなおはぎを買ってくると、待ってましたとばかりに小豆に口をつけていた。
糖分が心配だったのであまりあげられなかったが、弟の小太郎も小豆が好きで、よく2匹してつまみ食いをしていた。
他愛もない小豆の話など特に話すこともないままいたのに、親友はおはぎを買って来た。
「なんでかわからないけど、甘いものなら食べられるかなーと思ったら、おはぎを買っていたよ笑」
そう言ってクスッと笑いながら、2個入りのおはぎを3パック、まるの霊前にドドドーんと積み上げる親友。
おはぎの余りの高さに、私も笑ってしまった。
「まるちゃん、みんなで一緒に食べよ」
と、まるの霊前から1パックテーブルに移し、親友と2人でそれを食べた。
まるが亡くなって初めて口にしたのが、大好きな親友が偶然買ってきてくれた、まるの大好きなおはぎ。
気持ち悪くなることなく、美味しく食べられた。
いつもみたいに、爪の先ほどの小豆を手に乗せ、私とまると小太郎、3人で食べた。
こうして、まるが逝ってから4日が過ぎた。

※ご飯のお皿にカリカリが1粒しかない…小太郎が食べちゃった…
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