日頃の雪かき作業、丁寧な家、さぼった家の落差がはっきりわかる山形です。
家の駐車場、となりにくらべ雪が沢山あります。
雪も日本情緒があって美しいもの。かも?
一瞬の仕草に女性の心の中までわかってしまうような上村松園が描いた女性の絵が好きで、20年ほど前に買った図録の中に松園の師、竹内栖鳳の描いた猫の絵が載っていました。
背中を舐めている最中に一瞬目が合ったような、みどり色の目が印象的でした。
それから少しして、ジャスコ青森店の古本市で再びあの猫さんと目が合ってしまいました。
竹内栖鳳は横山大観と並び、第一回目の文化勲章を受けた日本画家です。
「班猫」は栖鳳61歳の時に三越が主催で横山大観、河合玉堂、下村観山など6名からなる第1回「淡交会」に出品したもです。なんでも鑑定団でよく名前は聞きます。
82.3×102.0㎝の大画面に猫一匹。
広すぎる余白が猫の丸まった背中を強調しているような感じがします。
背中からなぞってみると、「ね」の字のようにも見えます。
羊毛フェルトでおニャン形を作りはじめてからいつか作ってみたい猫さんと思っていました。
やっと今年の年賀状用に作ってみました。
梅干おばちゃんが「班猫」の説明をしてくれています。
ジャスコ青森店で買った「日本の名画 竹内栖鳳」という本には栖鳳の師は幾何学法を学ばせたり、写真機を購入し写生の参考にさせたり、「写生帖は武士の帯刀でないか・・・」と写生を厳しく躾たと書いてありました。
検索したら、班猫のモデル猫が出て来ました。
大正時代の「ネコ写」です。MVネコ写もらえるかな~
厳しく写生を躾けられたわりにはちょっと似てないような気もします。

モデルの猫さんは栖鳳が懇願して、一枚の絵と交換に沼津から京都の別荘に連れてこられた猫です。
背中にはちみつを塗ってこのポーズを描いたそうです。
著名な画家のモデルになれるなら、私は志づや茶々。渡せるかな? 無理だな。
どんつぁんなら、ん~どうかなです。
凸助はど~ぞ、ど~ぞです。
よく見るとしっぽはカギしっぽのようです。
鼻先も黒かったんですね。
いざ、おニャン形を作ってみると、手と首、なんだが長くないですか?
この体勢でこんなふうにしっぽが上を向くんですか?
おとなしいどんつぁんで実験してみました。
どんつぁん、いつも被り物の撮影では好意的に協力してくれます。
でも今回は背中を曲げる時点で気分を害し、しっぽを曲げる頃には怒って逃げて行ってしまいました。
その後、名前を呼んでも振り向きもしませんでした。
結局、無理な体勢とわかりました。
おニャン形を作るとき、私の場合、目の大きさが基本になりますので今回も計ってみました。
なんとなく気づいていたのですが絵に線を入れてみました。

同じ色の⇔が同じ長さです。
両目の瞳孔からの線はピンクです。
背中の中心は水色です。
黄色はピンクの半分です。
両目を中心に要所要所のポイントはこんな構図になっていたんですね。
1:1.618黄金比の長方形の上に線を乗せてみました。
学んだ幾何学法はここでも活きていたんですね。
身体の毛の流れは顔に向かって描かれています。
これなら、みどりの目に吸い込まれていきます。
本の解説にあった写生と写意を総合した・・・ということば。
梅干さんが言ってた
絵は絵空事
バランスや構図は画面に対して作ったりします。 デッサンやスケッチは見たまま描くんですよ!
意味わかりました。
背中も首も精密にスケッチしてから、いいとこ取りで猫の美しい部分だけを美しい比率で組み合わせたんですね。
だから、中心のみどりの両目に気をとられ釘付けになって不自然さを感じないんですね。
その分裏面のお腹、苦心しましたよ。
白いところばっかりなの。

長すぎる手、絵でも写真でも見えていないところには右手には、まなちゃんと同じ斑模様入れました。
左手は脇の下の皮、精一杯ひっぱりました。
なんだかんだと栖鳳先生に文句いいながら班猫できました。


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