すぐさま病院。
熱が9.5度。
火曜日から毎日通院。
点滴と注射。
つらいね。
ごはん、食べたくないね。
でも、ごはん食べられないとお薬飲めないよ。
ずっと点滴だよ。
毎日病院だよ。
おうちでゆっくり眠りたいのに。
病院もう行きたくないね。
たくさん検査した結果、気管支炎、心筋症、膵炎。
黄疸も出て、黄色猫。
何度も嘔吐。
でも
胃液しか出ない。
食べられないから、胃の中は空っぽ。
苦しいね。
むうたご自慢のブルーアイが黄疸のせいで緑色に。
先生からは
「とても危険な状態です。
熱が下がっても、この子はエイズもあるし、体の中に戦う力がないから。
この子の生命力にかけるしかないんです。
やれるだけのことはやってみます。
でも、覚悟しておいてください」
覚悟？
何の覚悟？
むうたを失う覚悟？
その一言で、体中が震えた。
言い知れない恐怖が私を襲った。
そんな覚悟、到底できないよ。
何日病院に通っても、全然食べようとしない。
いつもなら、熱が下がればすぐに食べたがるのに。
それだけでも、むうたが今、どれだけ苦しいかわかる。
キャリーの中でぐったりしたむうたの体をなでながら、毎日片道一時間の通院。
それだけでも、むうたにはとてもストレスなはず。
エイズの子には、ストレスは大敵なのに。
その上、毎日の注射や点滴。
想像を絶する苦痛だよね。
車の中で、
「ごめんね、ごめんね。
嫌だよね。行きたくないよね。
でも、行かないとむうた、死んじゃうんだよ。
だから我慢してね。
ママのこと大嫌いになってもいいから。
憎んでもいいから。
だからどうか元気になって。
愛してる。
愛してるむうた。
だからどうかママをおいて逝かないで。
お願いだからまだママと一緒にいて。
お願いだから諦めないで」
毎日泣きながら病院に通った。
状態が一向に上向きにならないむうた。
このまま病気に負けてしまうの？
むうたを失うかもしれない恐怖で、どうにかなりそうだよ。
1kgも体重が減って、一回り小さくなったむうたを見てると
運転しながら
このままむうたと一緒に突っ込んで死んでしまおうかとさえ思った。
でも、私が泣いてるとむうたが小さな声で
「ま〜〜…」
そうだね。
心配しちゃうね。
優しい子。
ごめんね。
大丈夫だよ。
ママは大丈夫だからね。
むうたの前では泣かないよ。
むうたの前では笑ってるね。
何日も食べない日が続く。
毎日の点滴や注射。
つらくてもじっと耐えてるむうた。
ママの元気、全部あげる。
ママの力、全部あげる。
ママの命も、あげる。
だから生きなさい、むうた。
ママの命、持って行っていいから、お願いだからどうか生きて。
もうすぐ春だよ。
暖かくなるよ。
梅が咲くよ。
桜も咲くよ。
たくさんお花が咲くよ。
蝶々も出てくるよ。
日向ぼっこもたくさんできるよ。
一緒に見ようね。
きっとキレイだよ。
きっと楽しいよ。
今年はたくさん楽しいことあるよ。
今年はたくさんいいことあるよ。
今年はたくさん嬉しいことあるよ。
まだまだむうたに見せたいもの、たくさんあるよ。
まだまだむうたとしたいこと、たくさんあるよ。
そう話しかけながら、毎日病院に通った。
家ではずっと寝たままのむうた。
あんなにお膝が好きだったのに、今はひとりで寝てる方が楽みたい。
ママのお膝に来る元気もないの？
天気のいい日は縁側に連れて行ってあげると、ゆっくり日向ぼっこ。
気持ちいい？むうた？
お日様のパワー、たくさんもらってね。
口内炎も悪化して、お口も痛いね。
苦しいね。
つらいね。
むうたはどうしたい？
ママはまだむうたを諦めたくないよ。
でも。
むうたはどうしたい？
むうたが決めていいんだよ。
ママはむうたを信じてるから。
だから、むうたが決めていいんだよ。
むうた、あなたの意思を尊重するよ。
大丈夫。
むうたが何を選んでも
ずっと一緒だからね。
ずっと一緒にいるよ。
だけど…
やっぱり諦めてほしくないよ。
ママはまだ、むうたを諦めたくないよ。
むうたの「いのちのひ」
どうかまだ消えないで。
愛してる。
ぺったん したユーザ
ぺったん
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