私が猫のことで一番気を揉み、ストレスが溜まった保護がありました。
それは退去期限のある保護でした。
飼い主さんが体調を崩され、家に残っている猫を期限内に移動しなくてはならないという保護でした。
私は飼い主さんと話をするにあたり、私も時間が取れる日が限られている、移動するには主人の休みの日でないと人手もない、なのである程度の日数が欲しいと伝えました。
飼い主さんも了承し、1ヶ月余分にマンションの契約を伸ばし、1ヶ月の中で時間的な段取りを組むはずでした。
しかし、しばらくして事態が急変しました。
飼い主さんの身内が猫のために家賃を払うなんて勿体ない!!と、1ヶ月余分に取れるはずの時間が取れなくなったのです。
結果で私の時間の段取りは完全にダメになりました。
退去期限まで時間は2週間あまり。
その中で私と主人の休み、手を貸してくださる飼い主さんの友人の都合もあり、保護のチャンスは一回のみ。
全頭が人馴れしているわけでもなく、馴れてる子もいましたが、保護はすぐには終わらないだろう・・・と思っていました。
保護当日、猫たちは部屋の異変にすぐに気づきました。
人馴れしている子はキャリーに入れるのは大変ではなく、わりと時間はかかりませんでした。
しかし、警戒心の強い猫は家から持参した捕獲器にも入りません。
時間だけが過ぎていきました。
3時間ぐらい経ち、残すは警戒心の強い猫だけになりました。
押入れの奥に隠れた猫を捕まえるため、主人が押入れの中にゆ〜っくりゆ〜くり捕獲器を入れていき、猫を興奮させないように猫の側に置きました。
猫が押入れの角に行くように捕獲器を置き、あとはスペースをなくすかのように猫をじわりじわり捕獲器の中に。
ガチャン!!
押入れの中の捕獲器のフタが閉まり、無事最後の一頭を保護。
この日、私たちに与えられた時間は昼の1時から夕方5時までだったので、本当にギリギリの時間に保護できました。
この日、我が家へ来た猫は5頭。
みんな成猫です。半分が10歳超え。
保護が無事終わった瞬間、私の気を揉み続けた毎日が終わりました。
数年経ち、私の力不足もあり病気になり亡くなった子もいます。
生きてる子もいますが、全頭を長生きさせるのはできませんでした。
3月のような引越しシーズンになると、とくにこの時のことを思い出します。
引越しで飼えなくなりました・・・・今月中に里親さんが見つからないと行き先がありません・・・・
などと言う文章を見ると、そんなに簡単には見つからないのでは?とか、見つからなかった先に飼っている猫の未来の選択肢の中に、処分があること本当にわかっていますか?と思うのです。
処分、遺棄・・・・簡単に考えてほしくないことです。
私は今まで退去期限のある保護を二回経験しましたが、本当に疲れますし、ストレスも溜まります。
人に頼むなら、自分の都合ばかりでなく手を貸す側の都合も考えてほしいなぁと思います。
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