相変わらず試行錯誤の日々です。
先日、友人と話をしてて、言われた言葉。
「手間のかかる猫の人形作ってて疲れない?」
……うーん……そう言われても……と思い、ふと改めて考えてみました。
肩は凝ったりするけど、基本的にすっごく楽しいんだよなあ……。
私が羊毛フェルトを始めてもうじき2年になります。
腱鞘炎で作ってない時期が半年ほどありましたので、正確には1年半ぐらいでしょうか。
ご存知の方もいると思いますが、2016年に亡くした私の最愛の子、長吉を作りたいという思いがきっかけでした。
初作品からここにUPしてましたので、最初の「謎の物体(別名:キリンと思われるもの)」からご存知の方もいると思います。
最初に猫らしきものを作ったのは3作品めから。
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顔だけの少し猫っぽい何かw
主人や友人には「怖い」と言われた代物です。
この頃は作り方もよくわからなくて、とにかく本やネットなどを参考に毎日がむしゃらに何かしらを作ってました。(このせいで腱鞘炎を発症してしまったわけですが)
もともと何かを作るのが好きなたちで、この他にもたくさんの謎物体を作っていました。
日記やブログにはUPしていない謎物体(あまりに酷くて公開できなかった)が屍累々状態で部屋中に転がってた時期もありました。
そうそう、その頃に参加したbhhさんのオフに、当日の参加者の皆さんのお宅の子たち(全10体の小さなミニチュア猫(犬一匹含む))を一ヶ月ほどで作って、押し付けテロ(笑)をやったこともあったなあ。今考えれば、殆ど似ていない謎の物体を押し付けられてご迷惑だったのではないかとちょっと後悔しておりますw
でも、あれを作ってる時はすごく楽しかった。腱鞘炎痛かったけどすごく面白かった。
そして、長吉の一周忌に作ったものがこれ。
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こ れ は ひ ど い wwwww
でもね、実は今まで作った中でこれが一番好きなんです。
ケースに入れて、長吉のお骨の隣に飾ってあります。
長吉を作って思ったこと。
私はものを作るのが本当に好きなんだなってこと。
そこで、もっといろんなものを作ってみたくて、最初は美雨様をモデルにしたりしてましたが真っ黒一色の美雨様作りは可愛いけれど何かがちょっとだけ物足りない。
もっと、柄のある子とかを作ってみたいなあと思って、最初は架空の子を作ろうと思ったのだけど、よく考えてみれば、ここネコジルシにはいろんな色柄、いろんな顔立ちの子がいて、モデルさんには事欠かない。
こっそりとここでモデル募集してみたらどうかなあ……って思って、本当にこっそりと日記のついでに募集してみた。
お友達のみなさまとっても優しくて、いいよって言ってくださった方のお友達のお宅の子、いろいろ作らせてもらいました。
コトちゃん、メルちゃん、雫さん、ヒカルくん、ロビンくん、虎太郎くん、そして今作ってるヒメちゃんとくろたくん。
どの子を作るのも本当に本当に楽しかった。
そして、いろんな子を作っているうちに考えるようになりました。
どうすればもっともっと本物っぽく作れるか、モデルの猫さんに似せられるかなって。
そんなことを考えていたある時、本で読んだかネットで読んだか忘れましたが、ある工芸家の方の言葉が印象に残りました。
自分の技術に満足しきってはいけない
できないと悩んでる暇があるなら一つでも多く作品を作れ
自分にない新しい技術に挑戦しなくなった時点でそれ以上の上達はないと思え
手癖で適当に作るようになったら新しいものは生まれない
目からウロコでした。
たかが趣味。
自分のできる範囲でそこそこ可愛いものができればいいなあ……とゆるく思っていた私はここで考えを変えました。
本格的にちゃんとやってみたいって気持ちが強くなりました。
その後はネットのハウツーサイトをみたり、本を買ったり、講習会を受けたり、いろいろやりました。
有名な作家さんの展示をみたり、ネットで発表されている作品をいろいろ見て研究したり。
ここ半年は多分、フェルト針を持たない日が1日もないぐらい毎日何かしら作ってた気がします。
私は毎回作り方を変えます。
使う材料やツールもどんどん新しいものを取り入れて試してみることにしています。
作ったことのない毛色やポーズの子も、なんとかして工夫して作ることにしています。
製作時間も最初に比べたら長くなってきました。
細部まで丁寧に作ろうとすると、それだけ時間がかかるというのが作っているうちにわかってきました。
例えば、歪みを直したり、細かな色の違いを修正したり、はみ出したもやもやの毛を丁寧にカットしたり、ベースがしっかりするように硬く硬く作ったり……なんてことをしてると、ひと月やふた月、軽くかかってしまう。
私が一方的に師と仰ぐ某作家さんは一体の顔を作るだけで半年かけます。
別の作家さんは全身像を作るのに一年かけることもあるらしいです。
なぜそんなに時間がかかるんだろうと思っていましたが、納得しました。
実物を見て、作家さんともお話をしたことがありますが、それらの作品は細部まで素晴らしくて、まるで本物と見間違うばかり。
憧れしかありません。いつか私もこのぐらい作れるようになったら、長吉や美雨の可愛いポーズの人形、いっぱい作るんだ♪と、心が弾みます。
まだまだ、そのレベルにはほど遠く、入り口にすら立ててませんけどね……('A`)
とある、有名な作家さんとお話する機会があり、作成のコツなど伺ったことがありました。
すると、忙しくてもとにかく数分でもいいから毎日触れること。
それと対象になるモデル猫の観察。本物の猫がそばにいるなら、実際に触れてどのような体の作りになっているかを手で覚えること。
骨格や毛の流れを理解し、どうしてこのような色柄になっているのかを理解すること……と言われました。
自分の思い込みで形を決めつけて作らないこと、個体の個性を観察し、それを再現する努力をすること……と。
考えるほど、難しいです。
でも、決まったやり方があるものではないので、自分にあった方法が必ずある。
ひとの模倣でうまくはならない。自分にとって最良の方法を見つけるのがいいのだと。
だから、それを作ることで模索するのだと思いました。
猫に個性があるのと同じで、作り手にも個性がある。自分にあった方法、作り方はいろいろ試してみるといいのだと。
まあ、そういうわけでちまちまと作っています。
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ヒメちゃんのお顔は今はこんな感じです。
この子はおめめがぱっちりして、まぶたが薄い。
骨格が小さく、顎が小さくて、足は細くて華奢。
体格は美雨に似てるように思えるので、美雨を参考にしよう。
キジの色は前回のロビンくんより薄くて、白い部分は真っ白ではなく薄いクリーム色のように見える。
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今は淡いクリーム色を混ぜた白い毛を少しずつ植えています。
これも前回とは作り方が違う。
さて……今回はどれぐらい近づけられるだろう。
そして、お渡しする時、喜んでもらえると嬉しいなあ……と心から思います。
なんか、とりとめもない長い話でお目汚し失礼しました。
基本的に私はとても楽しく作っています。
自分で作ると本当に愛おしいですよ。
興味のある方はぜひやってみてください。
難しそうに見えるけど、ハマればものすごく楽しいです。
美雨様、今回もモデルのサポートよろしくね。
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美雨「すーぱーもでるのあたしにおまかせ♪」
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