
日記の更新は久しぶり。
まる が空へ行ってしまっても、3にゃんは毎日元気に過ごしている。
私は、まるの祭壇で話しかけたり、ふと気が緩むたびに泣いている。
不思議だけれど、悲しくなってから涙が溢れるまでの時間がこんなに早いことは他にない。一秒で涙がこぼれる。
女優だったら超絶技巧な演技。
1月に ゆづきママさんと知り合い、まる のチクチクを引き受けてくださった。
まる の順番が来ると、夜中まで針を進めてくれていた。
土台が出来る、顔が出来る、体が出来るたびに写真を送ってくれ、色味やポーズを聞いてくれる。
私が送った写真だけを頼りに針を進めてくれるゆづきママ。
その感性は鋭く、細かな模様まで忠実に魅せてくれた。
例えば絵画は平面なので見たままを描けば良いが、立体のチクチクは模様の繋がり方、首の長さや太さ、胴体と顔や手足のバランスなど…難題がたくさんあると思う。
昔、こどもに猫を粘土で作ってあげたらダックスフンドになった私からすれば、その想像力と手先の器用さに敬服するばかりだ。
途中、
「まるちゃんの顔が出来たから体に移ろうとしてるのに、進まんのよ…」
と連絡が来た。
まるは難しい柄なのかな…と思っていたら、
「まるちゃんがな?『あたしはもっと可愛い!』ってダメ出ししてくんねん」
って(笑)
あーわかるわかる、まる なら言いそう。
一度針を進め始めたら絶対に作り直すことはしない ゆづきママ。
きっと、1針目をさした瞬間から その子が宿るからなんだろうな、と思う。
ゆづきママが「妄想だよ」と言う、虹の橋の子との会話。
妄想なんかではない、と思うフレーズがたくさんあった。
飼い主の私にしかわからない まる の体格の個性的な部分、性格などをズバリ当ててくる。
スピリチュアルを信じる信じないはともかくとして、虹の橋の子の気持ちを読み汲みする才能は「妄想」ではないと思った。
そんなこんなで まる の注文を聞いてくれ、チクチクを仕上げてくれた。
他の虹の橋の子たちと集合写真を撮ってくれ、それを見てとても安堵した。
家では虹の橋に行ったのは まる 1人。
遺された家族は、1人きりで虹の橋に行った まる が寂しいだろうと不憫でならなかった。
その心配は、たくさんの仲間に囲まれて写る まる を見て和らいだ。
ゆづきママは、虹の橋の子を喜ばせるためにそうしているのだと思うが、結果として、遺された家族の心配も減らしてくれた。
我が子の居ないこの現世で生きていく私達家族には、それはとても有り難いことだった。
チクチクまる が到着したとき、梱包ダンボールを見て胸が温かくなった。
amazonのロゴを巧みに改造し、
「誰?」
と、モチーフすらわからない すっとぼけた笑顔と化している顔には(ママごめん笑)、
「笑顔がいちばん!」
と吹き出しが書いてあった。
ゲラゲラ笑いながら、緊張することなく開封することが出来た、これもゆづきママのさり気ない優しさ。
丁寧に丁寧に包まれた まる は、家族皆の視線を集めながら、いつもの場所に座った。
「まる だ!まる だ!!」
と子供も目をまん丸くしている。
そして3にゃんたちは、とても興味深く近付いた。
おもちゃを確認するような雰囲気ではなく、
「君は誰だい?」
とでも言わんばかりの鼻キス。


いつも一緒に居た小太郎は、鼻キスをすると、チクチクまる にグルーミングを始めた。
「わかるんだ…」
と、皆泣いてしまった。
小太郎にはきっとわかるんだ。

さすがに「ザーリザーリ」とグルーミングされ続けると毛羽立ってきてしまうので、一旦もとの箱に納め、翌日ケースを買ってきた。
以前は祭壇の写真に向かって話しかけていたが、今はチクチクまる の顔を見ながらお線香をあげる。
チクチクは、その子に似せた人形ではない。
この世にたった1人の、その子。
その子の魂はたったひとつ。
その魂が宿ったであろう、たったひとつのチクチク。
だからこそ、この子をとても愛しく思う。
再びこんな優しい気持ちにしてくれた ゆづきママには、感謝と感謝と感謝しかない(語彙力…)。
わんにゃんのために…悲しむ家族のために…
気持ちを込めて作り上げるチクチクに、感銘せずにはいられない。
そして、そんなチクチクを作る ゆづきママをとても尊敬している。
家族皆を代表してここに記します。
【ありがとう】

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