納屋に置いてあったダンボール箱の中から、大きな目でじっと覗いていたガリガリの痩せっぽちがのらこでした。

逃げるかなと思いながら近づくと、じっとかたまったまま抱っこされました。
なぜ逃げない?
なぜこんなにガリガリ?

あまりにガリガリなのでフードをあげると、お皿に入れるのも待ちきれずにフードが入ったボトルに頭を突っ込むぐらいのがっつき様でした。
人間に慣れているようなので迷子猫だと思い、その日はネットで調べてみましたが見つからず。
朝になったら保健所などに問い合わせてみようと思っていましたが、翌朝には姿を消していました。
数日後、庭にうずくまるのらこを発見。
近づいても逃げずに抱っこされ、フードをがっつきました。
しかしそこへ、うちによく来る野良がやって来てしまい、のらこは追い払われてしまいました。
そしてそれ以降姿を見ることはありませんでした。
ここは野生動物も多い田舎ですが、あんなにガリガリではきっと自分で狩りをすることもできなかったのでしょう。
残念だけどどこかで死んでしまったかもしれないと思っていました。
しかし先月、成長したのらこが再び姿を見せました。
のらこは生きていました。
そして大きなお腹に命を宿していました。
どうしよう・・・
いろいろ考え、相談し、悩みました。
そして、うちで産んでもらおうということにしました。
しかしうちの飼い猫とは相性が悪く、窓越しに顔を合わすとけんかになってしまい、うちの子はストレスで体調を崩し、体重を1割以上落としてしまいました。
なので家に入れることはできません。
うちの周りには空き地や空き家、草薮や竹藪など、動物たちが巣としそうな場所はたくさんあります。
そこで、なんとかうちの納屋を出産場所に選んでくれるように様々な作戦を実行しました。
それによって日中は納屋や庭に来ることが多くなりましたが、夜は他にもっといい場所があるらしく、納屋に泊まることはありませんでした。

そして昨日、胎動が大きくなりいくつも用意した産箱を掘り掘りしたり、そのうちの1つに入っていたりしたので、いよいよ今夜かと思いました。
夜中、どうしても気になって納屋を見に行きました。
しかし、そこにのらこはいませんでした。
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