
お昼前に、表で郵便配達のバイクの音が聞こえてきて、家の郵便受けに何か大きなものが入るような音がしたから、そろそろ、月刊誌の「ねこのきもち」が届く頃かしらと思って見に行ったら、郵便屋さんがまだ郵便受けにそのかさばった配達物をねじ込んでいる最中で、こちら側ではみゆちゃんが、郵便受けの口からじわじわと押し込まれてくる「ねこのきもち」を、これはにゃんだとばかり、そばまで寄って観察していた。
そのみゆちゃんは知っていたのかどうか、袋を開けると、本と付録のドアストッパーのほかに、モンプチの試供品が三種出てきた。ドライフード二種類と、レトルトパックになったウェットフードが一種類で、ウェットフードの方は、「本日のお魚 まぐろ 海の香るソース添え」とまるでどこかの高級レストランのメニューみたいな名前がついている。
まぐろの切り身にカニカマとソースが絡めてあって、見るからに美味しそうだから、さっそくお皿へ入れてみゆちゃんに勧めたら、さも美味しそうに、ぺろぺろと食べ出した。目を細めて、もう本当に幸せそうに食べるのである。
最後まできれいに舐め尽して、もうないの、という顔をしている。モンプチのパッケージでご満悦の表情の、公爵みたいな白猫と見比べると、なんだか、不相応にセレブのディナーを食べた庶民、といった感じだが、満足して前足で顔を洗う様子は、こころなしか、いつもより優雅であるように見える。
普段から贅沢はさせないようにと思っているのに、こんな幸せそうな顔を見てしまったら、時々ならいいかななどとついつい考えてしまうから、まったく猫好き相手の商売というのは、うまいものだと思う。
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