今更気づいた、優しい貴女の信頼

2019年6月4日(火) 347 / 3

はーろが慢性腎不全と診断されてから、しばらくは病院に点滴に通っていましたが、お医者様の勧めもあり、自宅での点滴に切り替えました。

はーろは、拘束されるのが嫌いで、抱っこも好きじゃなかった子です。
どうやって保定して針を刺せば良いのか。
悩んでも良いアイディアが出ず、まあいいか、と私の膝に乗せただけで、点滴をしてみました。

はーろは逃げ出しませんでした。
点滴が終わるまでおとなしく、撫でたらゴロゴロまでいって、私の膝の上にいました。

はーろは、とても聡明な子でした。
病院へ連れて行く時、「いーやーなーのー」と抗議しながら逃げ回っていたら、自分の鳴き声で場所を特定されていることに気づき、その後は無言で逃げ回るような子でした。

点滴は、平日は私の帰宅直後、休日は夕食前と決めていました。
そうしたら、はーろが警戒するのはその時間帯だけで済むから、ストレスが少ないかと思ったので。

毎回、点滴の前はベッドの下に隠れていましたが、私が探し始めるとすぐにベッドの下から出て、それ以上は逃げようとしませんでした。

賢い子ですから、これから針を刺されるということはわかっていたはずですが、捕まえたはーろを抱き上げて、点滴場所まで運ぶ間、抵抗したことは一度もありませんでした。

膝に乗せてからも、逃げ出したことはありませんでした。
ずっとおとなしく、点滴をさせてくれました。
しんどい時だけじゃなく、非常に食欲があって調子が良い時も、そうでした。

その時はただ、「しよい子（方言。扱いやすい、手がかからない子みたいな感じ）」としか思っていなかったけれど。

「ばあやは、わらわを苛めたりしないのじゃ。だから、これも意地悪じゃないのじゃ。それに、ばあやがやりたがってるし……」

あの子は、そんな風に思ってくれていたのではないかと、最近、思いました。
一応逃げて、嫌だと言う意思表示はしても、本気で拒否することはありませんでした。

よくよく考えれば、点滴なんて全身で拒否して当たり前だし、体力の限界まで抵抗する子もいるだろうし、1回寝たら、何をされたのか忘れちゃう子もいるだろうし。

信頼して我慢してくれていたのかと、今更気づきました。

私は貴女の信頼に応えられましたか。
私は貴女にとってふさわしい者でしたか。

ありがとう、はーろ。
こんな私を信じてくれて。

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