さて、2017年4月12日に拉致…いや、保護して我が家の子になったゆめですが、お外しか知らない子をいきなり部屋の真ん中に放したら混乱しそうです。
リビングに置いた三段の大きめのケージでしばし生活してもらうことになりました。
(↑キャリーから出ないのでとりあえずキャリーごとケージに入れた図)
見守りカメラアプリより。
初日。その日は結局ケージから出てこないまま、私達は就寝。
翌日、トイレの砂がぶちまけられる派手な音で目が覚めます。
一階にキャリーを突っ込んだので二階にトイレを置いたのですが、それを落としてしまったよう。
片付けようとケージを開くと、威嚇するゆめ。怖がってます。
キャリーを撤去して一通り片付けても、ゆめはビビってるし、だから目も合わせられない(刺激しないよう
)。
…そんな感じで、ゴハンをあげてた頃の甘えんぼはなりを潜め、(そもそも私達がゴハンあげてたヤツらだと認識してるのか…?)ゆめはとにかく怯えていました。
連れてきて、かわいそうなことをしたのか…?そんなことも考えました。
私達はケージの周りを布で囲い、まずはあまり構わないようにしました。
ただ、ケージのすぐ側で、何時も通りの生活をする。
最初の3日、ゆめはケージの中でほぼ固まってました。
縮こまり、寝てるのか起きてるのか…。
トイレの中にひたすらこもってる時も。
そしてゴハンも食べない…。心配…。
そして時々、なんとも言えない声で一定時間鳴き続ける…。
病院から出されたノミとりの薬。それも首にたらしたいけど…こちらもビビっていて、なかなか向かい合えない。
勇気を出して4日目、ケージを開いて、ビクビクしてるゆめにこちらもドキドキしながら手を出すと、触ることができました。
お外の時のようにナデナデすると、気持ちよさそうにするゆめ。やった!
私はすかさずノミ取りをたらしました。良かった。
既に手遅れで部屋がノミだらけになるのでは…と不安もありましたが、幸いそれはありませんでした。
ゴハンも相変わらず食べないけど、ちゅーるを割り箸の先につけて口に押し込むようにしてつけると、だんだん舐めるように。
やがてゴハンも食べるように。
グルーミングもするようになりました。
5日目、家に来て以来まだ出てないウンチが心配で「ウンチしてね…」と涙ぐみつつ頼んだら、すくではないけどしてくれました。私はようやく一通りの安心を感じました。
それからもゆめは特にケージから出せ、ということもなく、ケージに私達が近づくと少しビビるものの、開いて撫でると喜びました。
ゴハンとトイレ、グルーミング以外はほぼ寝て過ごしてました。
お外にいたころから思ったとおり、動かない系キャットです…。
しばらくして、たまにケージを開けて家の中を歩かせました。
でも少しビクビクウロウロすると、自らケージに帰っていきました。
そのうち、ケージを開くとすぐに甘えるためにぽとっと出てくるようになったけど、ひとしきり甘えるとケージに帰っていく…そんな感じに。
一ヶ月して、ケージを完全開放しても、出てきて数分ウロウロしてケージに帰っていく…そんな日々が続きました。
でも2、3ヶ月とたつうちに少しずつ、ケージのすぐ真ん前でペタッと繕いでみたり、少しずつケージの外で過ごす時間が増えていきました。
やがてケージにはあまり帰らなくなりました。
寝る時はケージに、というのも嫌がるようになったので、夜もリビングに開放するように。
怖がりのゆめは棚や台所に登ったりすることもなく、とにかく大人しい子でした。
朝、私がリビングに現れると寄ってきて、ひたすらスリスリ&頭突き、ゴハンを入れても気の済むまで甘えてからでないと食べませんでした。
そしてゴハンも食べ気が済むとさっさと仕事部屋の窓際で日向ぼっこ。
夕方ごろ、出てきて仕事部屋の扉の前あたりから私を見つめる。
すぐに構ってもらえないと口をピチャピチャ鳴らしたり、「…な…」とか細く鳴いてみたり。
とにかく私が行かないといけないスタイル(笑)。
行くと喜んでまたスリスリ&頭突き。
そういう甘え方を日に何度かする以外は(ゴハンやトイレ、グルーミング以外)ほぼ寝てました。
ゴハンも一日にカリカリ40~50gと、体重4.6gkの割に食が細い。
あまり食に執着心もない。
この子の楽しみは、日向ぼっこと甘えることなんだな…という感じでした。
ちなみに、足場が不安定なところに登るのは怖いのか嫌いだったので、当然膝乗りだっこも嫌い。持ち上げ抱っこは、数秒は不思議そうにするけど、すぐ降りたいなという動きをしました。
なので、ゆめの甘え方はひたすらしゃがんだ私の周りをスリスリしながら行ったり来たり、それから頭突き、佇んで背中をナデナデさせる、もしくはびたん!と横になって触らせる…そんな感じでした。
ケージの前のスペースが広いので、ウロウロもしやすくかわいがってほしい時はとにかくそこに誘導される感じでした。
ソファに乗せてみても怖がって飛び降りました。でも、半年くらいたつと恐る恐る乗り始め、お気に入りの場所になりましたが。
ソファにいるゆめがナデナデしてほしそうにこちらを見つめだし、私がナデナデし始めると、ソファから降りてまたケージ前スペースに誘導される…そんなことがしょっちゅう。
ソファの上が気に入ったゆめは、自分の猫ベッドには入らなくなりました。
試しに入れてみても、怖そうに飛び出る^^;
しばらく使わないうちに怖いもの認定されてしまったベッドでした。
さて。
話は少し変わり…
排気ガスたっぷりの大きな道路沿いの駐車場で暮らしていた長毛のゆめは、最初毛玉だらけだし撫でると手が黒くなりました。
とはいえ、ビビリまくってるのにお風呂にいきなり入れる勇気もなく…。
とりあえず、毛玉は毎日少しずつハサミでカットしていきましたが、おっつかない。
換毛期もあって、毛玉が中途半端に剥がれていき、それが気持ち悪いのか舐めて剥がすゆめ。
なんならむしりとり、時には毛を食べちゃう。
慌てて駆け寄っても、逃げて急いで食べてしまう。毛球症になったらこわいので、「スッキリン」を舐めさせるようになりました。
やがて、毛玉をむしり倒したゆめはハゲハゲ状態に…^^;
(↑段々毛が生えてくる様子)
インパクトある見た目ですが、すぐに新しい毛がゆっくり生えてきて、毎日ブラッシングのおかげで毛玉になることもなく(時々脇とかに小さいのが出来たものの)ふわふわになりました。
心配したノミも、いなかったのかなんなのか、家の中で見かけることも繁殖することもなく、安心。
でもノミは見当たらなくても、寄生虫はお腹にいました。
ウンチの中から細長く白い虫が出てくることが二度ほどあったのですが、動物病院にウンチを持っていって調べてもらい、薬をもらうことで乗り切れました。
…二度目はなんで?って感じですが。一度目の卵が掃除不足でどこかに残ってたのか…?
リビングとその隣の仕事部屋(の窓際)で主に生活してたゆめ。
他の部屋には滅多に行きませんでした。
おトイレのあとでテンションが上がった時には、大きな声で鳴きながら廊下のほうに出ていくことはありましたが…。
でも、亡くなる少し前には、私達がいない時に私の寝室や夫の部屋に入ってベッドの上にいることが2、3度ありました。
一ヶ月ごと、半年ごとにゆっくり色々なものに慣れていってたゆめ。
もっと生きていたら、きっと家の中色々なところでくつろぎだしたのかもしれないです。
私の仕事部屋の机も。
この家で暮らしだした当初、登ろうとジャンプしたけど高さが足りなくて失敗(夫が目撃)してしまい、それ以降二度と再チャレンジする気配なかったのに…亡くなる一ヶ月ほど前、ようやく再チャレンジして登れるようになり、ひんやりした机の片隅で寛ぐようになってました。
そして、ゆめを膝に乗せたいという私のささやかな願望を叶えてくれたのがこたつ布団。
冬になってこたつ布団を装着した瞬間はみしらぬ物に警戒して、布団を踏まないように歩いていたのですが、私が布団の上に乗ってゆめをかわいがるうち、自分も乗るように…。
そして、暖を求めてこたつ布団ごしに私の膝に乗るようになったのです。
私がおトイレに行くときは、布団ごとゆめをずらしてどけて、帰ってきたらまた布団ごと持ち上げて乗せる…。
怖がりのゆめがそんなことさせてくれるなんて、シアワセでした(*´∀`*)
夏になるとまた乗ってくれなくなったので、冬の楽しみになりました。
そして翌年の冬もまた乗ってくれたり、隣に寄り添ってくれたり…。
これがこの先の冬の風物詩になる、と思い込んでいたんだけどな…。
遠慮がちなゆめも、少しずつアピールがうまくなっていき、見つめるだけではなくちょっとずつ距離をつめるようになってきました。
私がリビングの机で作業をしてると、机にのぼり、液晶タブレットの画面のすぐ横から見つめて…
それでもすぐに構ってもらえないと、キーボードの上に乗ったり、でんとした背中を押し付けてきたり。
ちょっとずつの進歩が愛しかった…。
ゆめがうちの子になってちょうど2年が過ぎた頃、ごはんを食べないのと呼吸が早いのが気になって、病院に連れて行き初めてまともに「診察」を受けました。(最初に行ったのとは違う病院)
看護師さんが手伝ってくれて、すんなりゆめを洗濯ネットに入れることができました。
そこで初めてゆめが白血病キャリアーだったこと、それが発症したっぽいことをきかされました。
白血病由来の、縦隔型悪性リンパ腫でした。
病院に行った翌日からの二、三日は元通り元気になったものの、その後はころげ落ちるように病状は悪化し、そこから亡くなるまで二週間、ゴハンは一切食べれませんでした。
呼吸が苦しいゆめに強制給餌をする気にもなれず、ただ苦しいだけの延命はしたくありませんでした。
それでも毎日お薬は飲ませましたが、泡にして吐いてしまうし、それによるストレスと不信感が目に見えて募っていたし、お薬への恐怖でたびたび投薬の時オシッコをちびるようになりました。
オヤツに混ぜたりカプセルに入れたり…全てうまく行かず。
病院に行く時も、キャリーの中でちびりました。
怖がりでとにかく危険を避けたいゆめには、「闘病」は向いていませんでした。
2週間持続の抗生剤を打ってもらい、家でのお薬はなくなりましたが呼吸はさらにどんどんつらそうに。
胸水を抜いても、もう肺が膨らまなくなってる、とのことでした。
5月に入ってから、4日に亡くなるまでの間はほんとうに見ていて辛かった。
4日の早朝、呼吸困難で亡くなるのを私が看取りました。
最後には、私が抱き上げるだけで病院かお薬かと恐怖でチビるようになってしまったゆめ…。
発症から半月しか生きれないとわかっていたなら、もっと穏やかに過ごさせてあげたかったけど、結果論ですね。
お葬式はとても晴れた日でした。
ゆめが亡くなり、私はとんでもない悲しみに襲われました。
だけど、限られた猫生の後半を、少しでも安全を感じながらほのぼの過ごせたと思ってもらえたら…。
ゆめが少しでもお外よりシアワセを感じてくれてくれていたのなら、それは私達の喜びです。
繊細で、穏やかでかわいいゆめ。
ずっとずっと大好きだからね。
今はテレビの側が狭いけど「ゆめコーナー」になっていて、常に目に入るようになっています。
これからも、虹の橋から見守っててね。
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