TNRをやる意義（※加筆・訂正どんどん受け付けます）

2019年7月2日(火) 712 / 8

TNRという言葉だけが独り歩きして、それにつられて
TNRだけをやる人が出てきているようなので
私なりのTNRの意義と手順を書いてみようと思います。

これはTNRの賛否を問うものではないので、反対派の方はスルーしてください。

TNR
T＝Trap（罠）
N＝Nuter（中性の）
R=Return（帰還）

罠を掛けて、中性にして（不妊手術）、戻す

ですね。

猫たちにこれをやることは本来公には認められていないけど、暗黙の了解。
犬にこれをやると遺棄になるのでNGです。

TNRをする意義は、不妊手術をすることによって猫たちがこれ以上増えることを防ぐためです。
本来なら犬と同じくRをせず、やった子は全頭保護して里親を見つけるべきなのでしょうが
数があまりに多いのであっというまに保護施設はパンクしてしまいます。
なので、止むを得ずRという選択肢をとるわけです。

TNRをする際に重要なのは、Rをした先で猫が命を全うできるかどうか、ということ。
そこには地域の協力が不可欠です。
地域の協力があってこそ「地域猫」というものが成立します。
一斉TNRをする際は、予め日程を地域に知らせておいて、外飼いしている子はその期間は外に出さないことを徹底してもらい、Rした後のご飯の保障と糞尿の始末について地域と話をしておく必要があります。
地域性として、さくらカットした子にはご飯をあげるよということが根付いているような場所では、いちいち話をしなくてもよいかもしれません。

Rをする意味は上に書きましたが、なぜ同じ場所にRをするのか。
不妊手術した子は、行動範囲が狭くなる傾向があります。
普通の野良さんは、ご飯が無ければどんどん移動しますが、不妊手術した子はあまり移動をしません。
なのでご飯がないとなると、その子たちに待っているのは「餓死」です。
なので、Rしてもそこで生きていけると判断した場合は同じ場所へ。
そこでは到底難しいだろうと思われる場合は、あえて別の場所にRすることもあろうかと思います。

その地域との話し合い、R後の保障がない場合は、むやみにTNRすべきではないと私は思ってます。
TNRした以上は、その子たちの生涯に責任を持たないといけません。
餌やりさんがいるから大丈夫「だろう」ではダメです。
中にはキチンと計画性を持って管理してる餌やりさんもいらっしゃいますが
大多数が「気が向いたときだけ」ご飯をあげる「無責任な餌やり」さんです。
TNRするということは、された側の猫にとってはただひたすら迷惑なだけ。
その子にとって幸せでも何でもありません。
病気でもないのに手術され、自分の意思ではないのに行動範囲を狭められ
ご飯がなければ移動するという本能を削がれるわけですから。

そして親子の母猫に手を出した場合、お母さんは子猫たちがお腹を空かせても
本能であちこちに行ってご飯をかき集めてくるということが出来なくなります。
待っている結末は親子そろって餓死です。

手を出した以上は、やった人が親子を幸せにするという責任があります。

それがTNRの本来の姿だと私は思っています。

そして、絶対に忘れてはいけないのが、糞尿の始末です。

猫が地域で嫌われる最大の理由は、糞尿被害です。
猫のおしっこもうんちも、飼ってる人はお分かりでしょうが臭いんです。
なぜならば、猫は体の中で凝縮してから排出するから。
外で暮らしてるなら、いろんなもの食べてるから尚のこと臭いはずです。
餌やりさんと話をする際に、最低限のトイレの設置をお願いするとともに、できるなら週に1度でも確認に行った方がいいのかもしれません。
TNRした子が追い払われたり痛い目に合ったりしないためにも。

TNRというのは今いる猫たちの幸せを願って行うものではないと思っています。
人間の身勝手で増えてしまった猫たちを、これまた人間の身勝手で減らそうとしているだけ。
殺処分される子がこれ以上増えませんように、何らかの理由で育つことができない子がこれ以上増えませんように、虐待される子がこれ以上増えませんように、という願いは後から付けたもの。
現在いる子をこれ以上増えないように管理し、将来的にはその地域の猫をゼロにする
というのが本来の目的です。
その地域の猫を根絶やしにするわけですから、人間の身勝手以外の何物でもありません。
私の保護活動仲間でTNR職人と言われている人は「自分はロクな死に方をしない。猫に呪い殺される。来世もし生まれ変わったら猫になって、同じ目に合わされるに決まってる」とまで言っています。

TNRをするということは、関わった子の猫生に責任を持つということ、だと思っています。

個人的な思いではありますが、TNRとはこういうものではないのでしょうか。

加筆・訂正があればどんどん受け付けます。

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