
みゆちゃんは、いつも夜中にうんちをするらしく、毎朝、起きたら猫砂の上に何個か転がっている。
それが、昨日の朝はひとつも出ていなくて、思い返せばその前の日もいつもより少なめであったから、便秘かしらと心配して、お腹をマッサージしたり、具合が悪そうな様子はないか気をつけて見たりしていたのだけれど、今朝、いつも通りの便が出ていたので、ほっとした。
子猫のときに大怪我をして家にやってきたみゆちゃんは、腰や足の粉砕骨折が、みゆちゃんの持つ自然の治癒力で奇跡的に固まりかけて、ようやく少しずつ歩けるようになった頃、便秘に悩まされていた。
獣医の友達に聞いてみたところ、犬に比べて骨格が華奢で骨盤も狭い猫はもともと便秘になりやすくて、交通事故の怪我や肥満がもとで便秘になる猫は割といるということだった。
獣医で便秘薬を出してもらうことも出来るそうだが、とりあえずネットで便秘対策の方法をいろいろ調べて、お腹をマッサージしたり、キャットフードは水分の多い缶詰をメインにしてそれにサラダ油を混ぜたり、にんじんやさつまいもを茹でたのをすりつぶして混ぜたりした。
一時は、命を取り留めたとしても車椅子かもしれないとまで獣医に言われていたのが、自分で歩けるまでに回復したのだから、それに比べれば便秘くらい、と思ったけれど、猫トイレにしゃがんで、うんちが出なくてつらそうにしているみゆちゃんを見ると、これからずっと便秘に悩まされていくのかと思ったら、可哀相だった。
食事療法やマッサージくらいではなかなか出そうにもないので、思い切って浣腸をしてみたら、効いた。しかも、それっきり便秘が解消されて、そのあとは順調に出るようになった。
はじめのころ、みゆちゃんのうんちは、両側から押されたようなへこんだ形になっていて、事故の骨折のために骨盤が変形してしまって多少なりともうんちが出にくくなっているのだと思っていたのだが、いつのまにか、みゆちゃんのお腹の中でどんな変化が起こったのかわからないけど、自然な形で出るようになった。
それでいまは、これといった苦労なく出ているのだけれど、年を重ねていくにつれて、骨盤の形が変わったりしてまた便秘にならないともわからない。とくに毎日の排泄や体の調子をチェックして、気にかけてあげないといけない。
―余談であるが、猫が自分の排泄物の上に砂をかけるのは、天敵から身を守るために自分の痕跡を隠す野性時代の本能であるらしいが、みゆちゃんはうんちに砂をかけない。猫が排泄物に砂をかけないのは、環境が平和すぎて自分の痕跡を隠す必要がない場合か、あるいは、自分が一番偉いから痕跡を隠す必要がない場合であるというふうに猫の本には書いてあったけど、みゆちゃんは、いったいどう考えているのだろう。
最近のコメント