もう秋なのかのぅ。
むかーし、むかし。
田舎から若人らが集団就職してくるような、ちょっと大きな会社のトタンの壁の独身寮。
それが何棟か建つその間に、小さな小さな管理人の平屋があった。
そこには、若い夫婦と、保育園の女子とその弟が暮らしておった。
ある夜、先に風呂からあがった女子。
敷地も家の中も自由に行き来する猫がおったが、次に弟があがってくる頃、
母親の編んだなにかの毛糸のカバーに興奮しだした。
大きな声をあげて興奮した猫は、女子の手が赤チンいっぱいになる傷と
小さなハダカの弟にもツメをたて、
激怒した両親によりずっと猫をウチには入れてもらえなくなった。
猫が大好きだった女子は、大人になったら絶対猫と暮らしたい。
そう思い続けていたそうにゃ。
ワシは、『ネオ』と言う名にゃ。
アメリカン・ショートヘア。という種類に分けられているらしい。
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16歳と5ヵ月。
ニンゲンで言うと、80歳ほどじゃそうにゃ。
充分すぎるほどの大人(もう初老?)になった、小さかったその女子が飼い主にゃ。
毎日・毎日、代わり映えしないフツーの日々。
じゃが、久しぶりに血が騒いだ。
今年2度目のセミじゃ。
(初めてのセミ)
《セミが苦手な方は閲覧をご遠慮ください》
テル嬢よ、わかるか?
横浜にいた頃は、夏中セミを追ってベランダにへばりついていたもんにゃ。
セミも疲れているのかのぅ。
ワシも、長く生きていたようだ。
にゃんだか、以前のようには動けん。
今年の夏も終わりじゃ。
あと何回、こうやってセミを追いかけることがあるのやら・・
しかし、なんの変化のないフツーの日々も悪くないかもしれない。と、
最近は考えておる。そう思うしかにゃいのもあるがにゃ。
ワシは、他のうるさいヤツらは好かん!
が、三毛。という毛皮のオンナが寄って来る。
このムチっとしたほうはしょっちゅうだが・・
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※『夫婦かっ!?』とゆーくらい、ハナちゃんがくっついている。
最近は、この痩せっぽちなほうも、やたらとワシを追ってきておる。
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何がいいのか、さっぱりわからん。
細いくせに、やたらに元気で、遊びたくてウズウズしておる。
他のヤツらは、カシャぶん遊びでぐっすりお昼寝しておるのに
モノ足りずに、ワシのサンマに当たり散らしておった。
違う!
マタタビのかほりを楽しむモノなのにゃよ・・
見本を見せてやったのに、まるで理解できないようじゃ。
若いのぅ。
今朝、飼い主がトイレ掃除で騒いておった。
「デオトイレのシートが、半分以上、一面サーモン・ピンクにビッショリ!」
多飲多尿のワシの尿じゃが、気分でおまるトイレにしたり、デオトイレにしたり。
夜間~朝、普段はある、おまるトイレにでっかいオニギリ大のチッコ玉がにゃかったし
1日使い捨てペットシートの尿量は、確実にワシだと断定したようにゃ。
日々都度チェックできるように、砂が2種類になっても白いシートを使っているらしいが
過去の血尿の比でないほどの赤みだそうにゃよ。
ふぅー。また『病院』というところへ連れていかれるのかのぅ。
道中の、『自動車』という乗り物も好かぬのに。
チビっこたちもいにゃくなったことじゃ。
年寄りのワシも、時折、何か綴ってみようと思っている。
いつまで続けられるかわからんがにゃ。
※すべて、飼い主の妄想とイメージでお送りしております。