枯れてしまうんだね
ただぽっかりと穴が空いたよう
うちに居ると
まだつばきはばあちゃんのところで
いつもの緩やかな時間を過ごしているんじゃないかと思う
でもだんだんに冷たくなっていく身体の
ぺったんこに痩せた身体の感触が残っている
抱っこが嫌いだったつばきを抱っこした
綿菓子より軽い
今はお別れの儀式待ちで
保冷剤の入った箱の中で眠っているつばき
こちらの予定とあちらの予定が合わず
火葬は週末になった
こんなに可愛いのに
灰にしていまうの?
嫌だ!
少しでも長く
私の手の届くところで撫でていたい
お花屋さんで開いてしまったバラの花をたくさんもらって帰った
つばきにはピンクのバラがよく似合う
部屋中に飾った
明日は私の病院だから今日は帰ってきた
つばきも一緒に連れてくれば良かった
などと思う
つらいのはばあちゃんも同じで
つばきが危篤になった日
私が行くと
いつもしゃんとしているばあちゃんが
パジャマで出てきて驚いた
「今何時かわからない」
「明るいから昼間?」
「親分(ばあちゃんがご飯をあげてる外猫)がいたからつばきの残したごはんをあげた」
「つばきが生きてるか死んでるかわからない」
今は昼間の1時だからね!
つばきは生きてるよ!
つばきがいなくなったらボケるんじゃないかって思った
でも親分にごはんをあげるのは忘れてないから大丈夫か?
本当に突然で
ばあちゃんからつばきのパウチが無くなるから頼んでとメールがあったのが水曜日
届いたのが金曜日
亡くなったのが月曜日
具合が悪くなるギリギリまでご機嫌にモリモリ食べていた
ただ体重が増えないのが気がかりだった
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段ボールを開けないままのパウチが悲しい
大好きだったバニラアイスをほんの少しお口に塗ったら
ペロペロしてゴクンした
それが最後に食べたものになった
可愛い子だった
居るだけで
幸せな気持ちにさせてくれる子だった
綺麗なカッパーアイ
トーティシエルの柔らかい披毛
ちっこくて
食べても食べてもちっこくて
でも病気なんてしたことなくて
予防接種で病院に行っても全然怖がらず
先生や看護スタッフの隙をついて病院内探検
紐が大好きで
後足に奇形があったけど
見事なジャンプをみせてくれた
おっとりしているようで
ハエをそっと捕まえるハンターでもあった
肉球が柔らかいのでハエはぷーんと逃げていく
鼻ぺちゃなのでお水を飲むのが命懸け
鼻に入って溺れそうになる
ごはんを食べるのも下手くそで
カリカリを一粒ずつお口にいれてあげていた
お刺身が大好き
3切れくらいペロリと食べた
ゴロゴロ音が大きくていつも夜は
足元で寝ていた
名前を呼ぶだけでゴロゴロ
ドライブが好きで
中尊寺にお参りに行ったね
飛行機にも乗って
北海道にも行ったね
食道カテーテルの治療も頑張った
またお口からご飯が食べれるようになった日は忘れない
多発性嚢胞腎の診断が下り
ネットで検索しまくった
根本的な治療法はない
岩大の獣医学部がこの病気を研究している
行くか迷ったけど
また一から検査し直すつばきのストレスを考えると踏み切れなかった
このまま
ずっと元気に過ごしていけるんじゃないかと思ったのに
逝ってしまった
一人ぽっちで
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