先日、伯母が亡くなりました。母の実家の、兄嫁にあたる人です。
近親者で家も近いので、葬儀の日は、家族全員で火葬から参列することになっていました。
このところ、急にぐっと寒くなったせいでしょうか。亡くなる人が相次ぎ、火葬場の空きがなかなか無く、朝9時からの火葬に決まりました。そのため、当日は朝7時半過ぎに家を出ることになっていました。
当日の朝、バタバタと髪を洗い顔を洗い、ブッコの世話をし、朝食を食べ、着替えをし、いざ出かけようとした時、先に家を出て車を出していた父が戻ってきて、「ブッコいるか?」と聞きました。
「ブッコによく似た猫が今通ってった」
「え?いるんじゃないの?」
と、車に乗り込もうとした時、車の前を通った猫は「あ!ブッコだ!」
ブッコさんは普段、ご飯を食べると父の部屋に行ってお昼寝をするので姿が見えなくても気にしていませんでした。また出かける準備にばかり気を取られ、いつも以上に気にかけていませんでした。そのため、いつどこから脱走したのか全くわからない。
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玄関を開けていればそのうち帰ってくるから、このまま出かけよう、と父は言いましたが、たとえ帰ってきても玄関を閉める人がいなければまた出て行ってしまいます。それにずっと玄関を開けっぱなしにしたまま留守にすることはできません。私が残ってブッコを捕まえるしかありません。
履き慣れないパンプスでは歩くのもままならず、喪服を汚すわけにもいかないので一旦家に入って普段着に着替え、また家を出ましたがもう姿は見えませんでした。
長くなるので経過は割愛しますが、結果としてブッコさんは自分で戻ってきました。
伯母の葬儀の始まる30分ほど前でした。戻ってくるとは思っていましたが、実際に戻ってくるまでは気が気ではありませんでした。
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いつ、どこから脱走したのか?
今回、どこも開けっ放しになっている窓はなく、ブッコが破ったと思われる所もないので、おそらく私たちが出かけようとしている時の一瞬の隙をついたのだと思います。
事実、父が最初家を出るとき、たまたま玄関のところに母がいたので母も一緒に家を出るものだと思い戸を閉めなかったそうなのです。
「肉親の死に際して、自分では冷静なつもりでも本当は冷静ではなくなってしまう」と伯母の枕経の時に和尚様が仰っていましたが、確かにそういう一面もあったかもしれません。でも普段からブッコが外に出ても構わない、という感じで脱走防止のためのフェンスを閉め忘れたり、脱走してもそのうち戻ってくると軽く考えている父の行動がこんな時に出てしまった、とも思います。
もしもブッコがずっと帰って来なかったら、私は伯母の葬儀に出ることはできませんでした。
さすがに事の重大さに気づいたのでしょう。初めて父から頭を下げられました。
今回ばかりは父も懲りたと思います。
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私もバタバタしていてももう少しブッコさんを気にかけなければいけないと反省しました。
葬儀に間に合うよう戻ってくれたブッコさんは、やはりいい子です。
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