肝臓の薬を飲んでいたのでセカンドオピニオンで毎月血液検査をし、診察をしてもらっていました。
発症しないかと貧血ばかり気にしていました。
しかしたいぴは白血病ではなく心筋症で亡くなってしまいました。
体重がほんの少しずつ減った時、獣医師は「誤差の範囲」と言ってあまり取り合ってもらえませんでした。
食欲廃絶状態になり、こちらからエコーをお願いしてそこでようやく猫には珍しい拡張方心筋症になっていたことが分かったのです。
心臓は肥大し、腹水胸水の貯蔵があり心臓の収縮率は16%ほどでした(正常であれば40%以上)
それがどれほど進行した状態なのか分からなくて3回目の受診時に質問すると「進行というか、心臓は弱っています」と言われ、血液が循環しなくなって血栓ができると突然死する場合があることと収縮率の説明をされましたがピンと来ませんでした。
ただその後に水が減ってきていること、薬に反応して収縮率が上がってきていることを言われたので私は回復してきているものだと、この先まだまだ一緒にいられるのだと期待してしまったのです。
後日、他の獣医師から心臓が大きくなっているのが確認できた時点でかなり予後が悪いことを聞かされ、そしてかかりつけ医に「 セカンドオピニオンでは診察時に必ず聴診器を当てていたのになぜ気付かれなかったのか」という疑問をぶつけた時に「うーん気付いてなかったわけじゃないと思うよ」と言われて、異変に気付いていたならなぜ早期に治療しなかったのかと悔しい思いをしました。
セカンドオピニオンの院長はかかりつけ医の知り合いなのでそんなことは言えませんでしたが…。
以下は亡くなった当日にメモしておいた内容です。
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0:41 大事な大事な愛猫たいぴが天国に旅立ちました。
あと3ヶ月で4歳でした。
先月、猫には珍しい拡張型心筋症と診断されて強心剤と利尿剤を飲んで治療している最中でした。
腹水胸水はありましたが量は少なく強心剤も効いているようで、数日前まで全く食欲がなかったのに少しずつ食欲を見せ、今日(正確には昨日)の午後は自分からカリカリを食べてほぼ完食していました。
走り回りドアを開けて勝手に廊下に出たり、お気に入りの兄の部屋に入り込んだりと元気そのものでした。
しかし、20:20頃 急に大きな声を出して暴れているような音がするので慌てて見ると、ベッド替わりにしていたダンボールに上半身だけ入ってバタバタともがいていました。
後ろ足が動かなくなったのです。
そして激しく嘔吐を始めました。
出てきたフードは食べたばかりなのか消化されず形がそのまま残っていました。
見た瞬間、血栓という単語が頭を過りました。
心臓の動きが弱くなって血が循環しなくなると血栓ができてしまい、それが血管で詰まって麻痺を起こしてしまうのです。
すぐに時間外診察をしている病院に電話しましたが繋がらず、留守電にメッセージを残しました。
しばらくして折り返しかかってきた電話に出て事情を説明すると、血栓症になった子は大体がそのまま亡くなってしまうことを前置きした上で血栓症には血液溶解の処置や点滴が必要になるけれど今は時間外で人手がいないため、夜間救急をやっている大きな病院に行くようにと勧められました。
案内された夜間救急へ連絡し、すぐに出発しました。
たいぴをさすりがら声をかけて夜間救急に到着したのは21:35。
移動中、スマホを見ると先ほどの病院の院長からSMSが届いていました。
間に合ったとしても救命できるかは五分五分、明日まで頑張れたとして積極的な治療を希望するのであれば転院可能だということでした。
五分五分。
その50%に懸けるしかありませんでした。
診察の結果は最悪なものでした。
血栓症というだけでかなり予後は不良。
殆ど心臓は動いておらず、痙攣のように震えているだけでした。
血栓が詰まってから6時間以内なので血液溶解の処置をすることは可能だけれど、血栓症で血液溶解の処置を前向きにできるのは足1本が麻痺した状態までだそうです。
たいぴは両後ろ足と尻尾、そして左前足まで麻痺をしていました。この短い間に足3本も麻痺していたんです。
また、胃も殆ど動いていないということでした。
腎臓の数値も悪い。
これが元からならそんなに問題ないけれど、今回のことでいきなり数値が悪くなったのだとしたらかなり良くない状態だと…。
そして何の項目かは忘れてしまいましたが、数値が振り切れてしまって計測不可能なものもありました。
頭が真っ白になりました。
はっきりと覚えているのは、たいぴが崖っぷちギリギリの所で踏ん張っている状態だということ。
奇跡的に治療が上手くいっても早くて1週間、長くても3ヶ月の命ということ。
涙が溢れ出てきました。
どんなにがんばってもたいぴの寿命が伸びることはない。
でも、はっきり言ってもらったことで変に期待することもなく現実を受け止めることができました。
血栓を溶かすことが出来たとしても、急に血液が流れることによって心臓をやられてしまう可能性があり今まで血液溶解処置をして良かった試しがないということ。
また、小さくなった血栓の破片が他の臓器を傷付ける可能性もあり、やはり命にかかわるということ。
今 ギリギリのところで状態が保てているのは肺が無事だからであり、心臓が殆ど動いていないことによって肺水腫になっていないので強心剤で心臓が動くと肺水腫になる可能性がある。
まずは血液溶解処置をするかどうか。
そしてしない場合、入院して治療を続けるかどうかという選択肢を決めなければいけませんでした。
治療をするならば全力で治療に当たります、と。
この時点で家に連れて帰って最期を看取る選択をする御家族もいるそうです。
早ければ今夜中、一緒に寝ている間に亡くなるでしょうと。
連れて帰るのならば痛み止めを入れるので6時間はもちますと言われました。
明日までもったらかかりつけへ行ってくださいということでした。
まず、血液溶解は選択肢には入りませんでした。
リスクが大きすぎるからです。
足が動くようになる可能性よりも死に至る可能性の方が高い。
そして、治療をするかどうか。
長くて3ヶ月という余命宣告はもう出ています。
私のわがままで3ヶ月も苦しめることはできません。
連れて帰ろう。
きっと今日が最期の夜になる。
せめて痛みを感じないまま安らかに旅立ってもらおう。
そう決断しました。
ほかの患者さんもいるのに大泣きしました「まだ3歳なのに」と、泣きじゃくりました。
処置室から連れてこられたたいぴは薬が効いているせいか先ほどとは打って変わって鳴きもせず大人しくボーッとしていました。
いつもならキャリーに入ってる間はずーっと鳴いてるのに。
帰りの車の中でたいぴが意識がある最後の状態を写真と動画に撮っておきました。
部屋に戻るとデブメンおーちゃんが駆けつけてきてたいぴを心配そうに覗き込んで鼻チョンをしてました。
ふたりの最後のコミュニケーションでした。
静かにしていたたいぴですが、亡くなる20分くらい前から異変が起きました。
開口呼吸をして、短い息を繰り返し、苦しそうな声を上げ、カハッと何度も息を吐きました。
先生が亡くなる前にいくつかの症状が出ますと言っていたのを思い出しました。
ああ、これがそれなんだなと。
見ていて辛くなるから寝てしまったほうがいいと言われましたが、最後まできちんと私がついていなければいけなきと思いました。
私はもう意識がないだろうたいぴにひたすら「たいぴ愛してるよ、たいぴありがとね」と声をかけていました。
ため息のようにフゥーっと息を吐いた後、そのままたいぴは息を引き取りました。
たいぴ3年半ありがとう。
あなたは特別な子でした。
頭が良くて、お腹が空くとお皿を落とし、ドアを開けることも覚え、口笛を吹くと廊下から部屋に戻ってきて、名前を呼べば返事をしながら駆け寄ってきました。
猫たちに愛され、人に愛され、こんなに濃い3年半を過ごした子はいないでしょう。
いつまでも乳離れをしなかったたいぴがとても愛おしいです。
天国にいるみんなによろしくね。
また毛皮を着替えて戻っておいで。
またね、たいぴ。
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